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ULTRASEVEN AX 〜太正櫻と赤き血潮の戦士〜
3-6 勝利をこの手に
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も巨大な姿をした降魔を相手に、臆することなく対峙していた。
(そうだ…僕は、一人じゃなかった)
大神機が隣に立ったと同時に、ジンは悟った。
(あの時も、あの人たちと共に戦っていたんだ!この世界の平和のために!)
ジンはさらに、逃げようとするサドラを強い力で押さえつけた。
駆け出し続けた果てに、大神の光武は高く跳躍した。
「狼虎滅却…」
その二本の刀に、稲妻がほとばしる。すみれが炎、マリアが氷、そして大神は…自らの霊力で雷を発することができたのだ。
大神は高らかに叫びながら、自らの正義に込めた覚悟を、その一振りの斬撃に込めて解き放った。
「〈快刀乱麻〉ああああああああああああ!!!!」
ザシュ!!
サドラの顔をすれ違うさまのことだった。大神が地上へと落下し、上野公園の地面の上を転がる。
「大神さん!」「少尉!」
さくらたちが、彼の身を案じて駆け寄る。
「お、俺なら平気だ…それより」
大神は落下の衝撃で痛みを感じていたようだが、光武のおかげもあって大きな怪我に至っていなかったようだ。
しかし彼が気になるのは、サドラの状況だ。それに同調してさくらたちも頭上を見上げてデビルサドラを見やる。
「や、やったんですの…?」
次に、やはりまだ奴が平然としている、そんな嫌な予感が現実になってしまいそうなことを口にするすみれ。しかしそれを抜きにしても、本当にそうなる可能性もある。さくらとマリア、そして大神も…そしてジンも一度デビルサドラから距離を置いてじっと構えた。
しかし、それは杞憂に終わった。
大神によって首に刻まれた箇所から、デビルサドラの首が落ち、それに伴ってデビルサドラの体も崩れ落ちた。
「や、やった…!!」
大神の顔に、勝利の喜びが現れた。ついに成し遂げたのだ。ずっと長く、この国のため、平和のために戦うことを夢見ていた大神。かつて降魔戦争で人類を苦しめていたという驚異を、この手で討ち倒したのだ。
帝劇の司令室でも、大神のフィニッシュによって戦いが終わったことが映像越しに伝わっていた。
「やったぁ!!」「イェイ!!」
「すっごぉい!さすがお兄ちゃんかっこいい!!」
かすみ、由里、椿の三人が、降魔が倒れたのを見て思わず席を立ち、お互いにハイタッチを交し合った。アイリスも大神の活躍ぶりに黄色い声を出さずにいられなかった。
「へへ、大神の奴、やりやがったな」
米田もまた、満足げに笑っていた。海軍の卒業候補生の中から自分が見込んで抜擢した青年が、精神面も戦いにおいても自分が見込んだとおりの男だった。この男になら託せるかもしれない。帝都の未来と、ジンや花組の皆の事も…そんな期待が米田の中に確信めいた形で抱かれていた。
「やりましたね、大神さん!!」
「すばらしい一撃でしたわ、少尉!!」
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