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ULTRASEVEN AX 〜太正櫻と赤き血潮の戦士〜
3-6 勝利をこの手に
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が浮かび、それは合致した。
…そうだ。自分はさくらが立った今使った技を見たことがあるのだ。おそらく、自分がまだ思い出しきれていない、『降魔戦争』の記憶。その時、さくらの父である真宮寺一馬が使っていたに違いない。だから通りで、驚くほどの懐かしさを覚えたのだ。
しかし、さくらの技がクリーンヒットしても、デビルサドラはいまだに倒れる気配がなかった。寧ろ邪魔立てされたことに怒り狂い、今度は標的をさくらに変えた。右腕のハサミを伸ばして彼女に攻撃を仕掛ける。
いけない!ジンはすぐ彼女を助けに向かおうとしたが、サドラの腕の速度の方が勝っていたために、間に合えなかった。そんな彼女の前に、さらに大神の光武が降り立ち、二本の刀を盾代わりにサドラのハサミを防御した。だが、光武と比べてもサドラのハサミの方が巨大。防ぐことはできても、大神が無傷というわけにいかなかった。
「ぐわ!!」
「大神さん!」
大神の光武はサドラのハサミの衝撃によってさくらの後ろに突き飛ばされる。彼の身を案じたさくらが声を上げたが、彼と入れ替わるようにすみれの光武が飛出し、サドラのハサミと繋がっている腕を突き刺し、地面に縫い付けた。
地面に腕を縫い付けられたサドラは醜い悲鳴を轟かせる。
このとき、すでに大神は立ち上がっていた。
「大神さん、大丈夫ですか!?」
「俺なら大丈夫だ!すみれ君と一緒に奴の腕を抑えててくれ!」
動揺している暇などない、遠まわしにその意思を伝え、さくらも頷いた後にようやくすみれにならって動き出す。すみれが長刀でサドラの腕を地面に縫いつけ動きを封じている。さくらも自分の刀を突き刺して地面により深く頑丈に縫い付けた。サドラがさらに痛みを覚えて悲鳴を漏らす。
「今だ…!」
大神は今こそ好機と見て駆け出す。ただ走っただけじゃない。彼はさくらとすみれが地面に縫い付けたデビルサドラの右腕の上を駆け出していた。
敵が近づいている。しかも右腕を引っ込めることができず、ただ接近を許してしまっている状況に、サドラは危機感を覚え回避に移ろうとする。しかし足はマリアの霊力弾によって凍らされ、右腕はさくらとすみれの二人に地面に貼り付けられた。だったら残った左腕で迎撃しようとするが、それもできなかった。赤い巨人…ジンがサドラの左腕を捕まえたまま接近し、左腕ごとサドラの胴体をも取り押さえた。
近づいてくる大神の光武のモノアイがこちらを見た時、ジンは感じた。ちょうどその時、光武の中に乗っている大神と視線が重なり、その大神が自分に頷く姿勢を見せていた。
俺たちがいるんだ、そう告げているように。
そのときの彼の脳裏に、ひとつの光景が浮び上がった。
軍服姿の米田、あやめ、さくらの父である一馬、山崎、そして…彼らと同じ装いを身にまとった、今と変わらない姿をした自分。目の前に自分たちより
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