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ULTRASEVEN AX 〜太正櫻と赤き血潮の戦士〜
3-6 勝利をこの手に
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が容易く考えられた。
(…そんなこと、させるか…!!)


「赤い巨人が…!!」
降魔戦争の頃、帝都を守っていたという赤い巨人。今その巨人に危機が訪れている。あの赤い巨人はもう限界だ。自分の最悪の状態を避けるために撤退するはずだ。そうなれば、あの怪物は帝都の方にも向かい、人々を蹂躙することだろう。そうなれば、帝都の人たちの盾は自分たちしか残らない。退くわけにいかないのだ。
大神は決意を固めて、改めて戦闘を続行しようと思った時、赤い巨人を見てはっとする。
赤い巨人が、自分が死ぬことを避けるためにいずれ撤退するのではと勘ぐっていたところがあった大神は少し驚いていた。赤い巨人は逃げる姿勢を全く見せていない。自分を捕まえているデビルサドラのハサミを生やしている腕を…逆に捕まえている。
(まさか、あいつ…)
自分がどれほど傷ついても、死ぬことになろうとも、決して退こうとはしていない。
大神は、赤い巨人の背中を見て悟った。あの赤い巨人は…自分たちさえも命を賭して守ろうとしているのだ。
「…みんな、聞いてくれ」
彼は花組の3人に向けて口を開いた。
「あの赤い巨人を…援護するぞ」
「え?」
その一言に、三人は目を丸くした。
「確かにあの巨人の正体はわからない。でも彼を見てみてくれ。」
三人も言われてみて赤い巨人を見上げる。捕まっている身でありながら、逆にあの降魔の腕を捕まえ逃がすまいと奮闘し続けている。
「この帝都は本来、俺たちが守らなければならない。だが、彼は俺たちさえも守ろうとしている。ならば、俺たちがとるべき行動はひとつしかない!」
大神の言葉に、三人は少しの間沈黙する。すると、さくら機が大神機の隣に並んだ。
「私も行きます」
「さくら君…!」
「あの巨人はお父様が戦っていた頃から、人々を守るために戦ってきた救世主だったと聞いています!それに私たちも大神さんが来る前に、彼に助けられた借りがあります」
彼女の言葉は、若干躊躇いがちだった二人を動かした。
「…そういえばそうでしたわね。思えば、私は二度も救われら身でありながら、一度も借りを返していませんでしたわ」
「悔しいですが、私たちだけでは敵を倒せないでしょう。ならば敵が姿を見せた今こそがチャンスです。
少尉、ここは一気に総攻撃を仕掛けましょう」
二人が、巨人の援護に関して、何かしらの反対意見を出すかもしれないと思っていたが、どうやら杞憂だった。さくらに続き、同意してくれた二人に感謝し、大神は命令を下した。
「よし…花組、攻撃を開始する!赤い巨人を援護せよ!!」
「「「了解!!!」」」


ジンは必死に踏ん張り続けていた。奴が自分を絞殺しようと、首に食い込もうとしているハサミに込める力を強めているのがわかる。だが逆にそこを利用してやろうと、ジンは自分の首を
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