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ULTRASEVEN AX 〜太正櫻と赤き血潮の戦士〜
3-5 共闘!ジン&花組
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に包まれた周囲を見渡す。とある日、士官学校時代に甲板から見た景色と似ている。彼は自分が乗船していた軍艦が海外に出たこともある。その際、とんでもなく黒くて大きな雲が立ち込めたり、時には霧が立ち込めてしまうなどの悪天候が発生し、艦の周囲がまったく見えない状態に陥ったほどだ。
「普通の霧なら、太陽が昇るにつれて晴れてくるが……ッ!」
そこまで言いかけたところで、大神は何かを思いついて顔を上げた。
そういえば、さっきまでの脇時との戦闘中、すみれが長刀を振るったときのことだ。
(すみれ君の長刀の刃から炎が出ていた。もしかしたら…)
その思い付きがどこまで通じるかわからない。だがいずれにせよ、このまま
「すみれ君、君は確か炎を使った技を使っていたね?」
「え、ええ…私の霊力は炎を起こすものですから、当然…」
急に大神から尋ねられたすみれは少し驚いたように戸惑いを覚えたが、大神の質問の意図に気づいたのか、すぐに不適に笑う。
「なるほど、そういうことですのね」
「すみれさん、どういうことですか?」
「あ〜ら、さくらさんはまだお分かりにならないのかしら?これだから田舎娘は…」
「む…ッ」
素朴な疑問を投げかけてきたさくらに、すみれは調子に乗っていやみったらしく言うと、見かけによらず意地っ張りなさくらはムカッとする。そんな彼女の視線を軽く無視。
「朝霧が時間が経つにつれて太陽の熱で消滅するように、すみれの持つ炎の霊力による熱を周囲に拡散させることで、この霧を消す…そういうことですね、少尉?」
マリアからの問いに対し大神は頷く。
「ああ、そのとおりだ。最も、この霧は普通とは違う。本当に消せるかどうかはわからないが…ここでじっとしていても倒されるのを待つだけだ。
すみれ君、可能性が見えない賭けだが、頼む」
すみれは光武の通信モニターに映る大神の、自分に向けるまっすぐな視線に当てられる。剣のような純粋で直線的な強いまなざし。すみれの心にそれは強く突き刺さる。
「そ、そのような目で頼まれては断れませんわね。よろしくてよ」
ちょっとわがままなすみれでも、ここまで本気の目をした人間の頼みを断る気になれなかった。彼女は自分の光武が握っている長刀を握る力を強める。
「ならば、先ほどよりも強い火力を帯びた、華麗なる奥義でこの霧を晴らして見せましょう!みなさんは少し下がっていただける?」
「ああ、頼む」
すみれ以外の全員が一度下がる。それを確認したすみれは目を閉ざし、光武の腕で長刀を握る力を強める。すると、彼女の周囲から炎がちらつき始め、燃え下がり始める。キャンプファイヤーの比較にもならないほどの、人の心に宿る情熱のような業火。
「行きますわよ。神崎風塵流…」
カッ!と目を見開いた彼女は、その手に握る炎に包まれた長刀を華麗に振り回し、地面に突き刺し
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