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ULTRASEVEN AX 〜太正櫻と赤き血潮の戦士〜
3-5 共闘!ジン&花組
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ける形で落下したジン。彼を突き飛ばしたハサミはそのまま伸びてきてジンの首を挟み込むと、その巨体を宙に持ち上げて地面の上に引きずり回す。
ジンは自分の首を挟んでいるこのハサミを強引にほどこうとするも、かなりの力でがっしりとつかんできているせいで簡単にほどける気配がない。だったら…彼は額のビームランプから光線を、霧の中に向けて放つ。しかし敵が見当たらない以上、命中率は著しく低下する。現に今の光線が何かに直撃した音さえもなかった。だがその際、ジンの首元を挟んでいたハサミが彼の首から離れ霧の中に消えた。
(…そうか、どうやら驚いてひっこめたのか…)
さすがに今の光線が当たることがなかったと言っても、敵への威嚇射撃になったようだ。おかげで解放されたが、敵の姿が見えない状況に変わりなかった。逆に見えない敵はこちらの位置を手に取るようにわかっている。なんとか居場所を突き止めることができたらいいのだが…敵の足取りがまだつかめないことに変わりない。
こちらがまだ自分の居場所を突き止めていないことをいいことに、見えない敵は、今度は鞭のように闇の中から振り回しながら攻撃を仕掛けてくる。対するジンは、反撃がロクにできない状態だ。
(一体どうすれいい…どうすれば、こいつを…)
悩む暇さえ与えてくれない正体不明の敵は、さらにジンに対して追撃を加えていく。
大神は、今自分の目の前で起きている現象に戦慄し続けていた。こんな危険極まりない敵に、さくらたちは何度も戦ってきたというのか。あの、降魔戦争で人類の味方として戦ったという赤い巨人さえも苦戦する、そんな恐るべき敵に。
「グアアア!!」
しかし、赤い巨人からは苦痛の声が聞こえてくる。彼もこの悪天候下で戦うのは厳しいのだ。黒い霧のせいでよく見えないのだが、赤い巨人の大きな影がわずかに見える。激しくけりや拳を叩き込もうとしているのが見えているが、それらのいずれもが空を切っているようにしか見えない。それどころか、逆にどこからか殴り返されているように見えた。
『大神さん、マリアさん!聞こえますか!?大神さん!』
ふと、耳にさくらの声が通信越しに聞こえてきた。
「さくら!」
「さくら君、無事か!?」
『はい!』
「すみれは?」
『私ならここですわ…』
すみれも後から続く形で大神たちの前に現れ、自分の生存を伝える。
「みんな無事だったみたいね」
皆の無事を確かめることができて、大神は安心する。
「それにしても、うっとおしい霧ですわね」
公園を今なお覆い続ける黒い霧を見て、すみれが不快感を露にする。実を言うと風組のナビゲートを借りることで大神たちと合流できた。それがなかったら、今もこの霧の中でさまよい続けていたかもしれない。
「なんとか、この霧を消す方法はないんでしょうか?」
「霧…」
大神は黒い霧
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