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ULTRASEVEN AX 〜太正櫻と赤き血潮の戦士〜
3-5 共闘!ジン&花組
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たのを感じ取ったが、暗闇のせいで反応が遅れてしまい、自分に向かってきた『それ』に突き飛ばされた。
「ぐはッ…!」
くの字に曲がりながら吹っ飛び、上野公園の芝生の上に転がったジン。まるで蒸気自動車にでも撥ねられたかのような吹き飛びようだった。よろよろと起き上ったジンは、霧の中を見る。脇侍が現れ、僕に不意打ちを仕掛けたのか?いや、脇侍なら刀の一撃で僕を真っ二つにできた。なら、もっと別の…もしかしたら脇侍よりも恐ろしい存在かもしれない。
なんにせよ、この黒い霧の中に隠れた何かが、僕を狙ってきた。
ここなら変身してもバレることはない。ジンはウルトラアイを構え、それを目に装着した。


脇侍たちは次第に数を減らしていき、もはや数える程度しか残っていなかった。
「これで、最後だ!」
大神機の最後の一撃が、残り一体の脇侍を切り伏せた。
「こちらマリア機、そちらから残りの脇侍の反応は?」
マリアが通信越しに風組に、他に脇侍が残っていないか確認を求めると、由里が返事を返してくる。
『レーダーに脇侍の反応はありません。大神さんが倒した奴で最後です』
「けど、この黒い霧はまだ晴れていませんね」
周囲を見渡しながら、さくらが呟く。まだ黒い霧が園内を黒く塗りつぶしていた。少なくとも花組の各機体は互いに見える範囲内だったので、逸れるというようなことはなかった。
「視界を潰すためかと思ったら、単なるこけおどしだったようですわね」
霧の中から脇侍たちが何か仕掛けてくるかと思っていたすみれだが、奴らが霧に紛れて不意打ちを仕掛けるのを返り討ちにしてやろうと、自分の華麗な見せ場をイメージしていただけに期待外れに感じていた。
『…いや、そうとも限らねぇぞ』
だが、米田から警戒を促すような声が聞こえる。
『みんな、気を付けて。何か…嫌な感じがする』
アイリスも米田に同調して、不安を抱えた言葉を口にする。
その予感が的中したのか、大神たちの周囲に異変が起きた。
少なくとも互いが見えるくらいだった黒い霧が、さらに濃さを増して、辺りを黒く塗りつぶし始めた。
「まずい…このままでは敵の姿は愚か、互いの位置を把握しきれなくなる」
大神が危機感を募らせる。今度こそ視界を遮られ、敵がどこからか不意打ちを仕掛ける可能性が大きい。さらに濃さを増していく黒い霧。
『妖力反応が高まっています!それに…』
通信越しにかすみの声が轟く。最後のあたりで、何か気になるような言い方までしている。
「どうしたのですか!?」
『こちらの計器に異常が!上野公園全域に妖力反応が!敵の位置が特定できません!』
「園内全域に、ですって…!?」
この時、帝劇の司令室の、妖力反応を特定するレーダーに異常が起こっていた。レーダー内の上野公園に、みるみる内に妖力反応が広がり始めていた。

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