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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
191部分:第十六話 孫策、刺客に狙われるのことその十五
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「気を使ってくれるんだな」
 彼女の気遣う顔での言葉だった。
「だがだ」
「あの二人がそんなことする筈ないってわかってるからな」
「そうよ。あの二人は絶対にそんなことしないわ」
 それは彼女もわかっていることだった。
「けれど。蓮華姉様は」
「焦ってるわね」
 黄忠は璃々を抱きながら言った。
「どう見ても」
「普段はあんな感じのよ」
 困惑した顔で姉の弁護をする。
「優しくて。穏やかで」
「それがか」
「お姉さんのことでだよな」
「あんなに必死になって」
「そうなの。だから悪く思わないで」
 それは絶対にというのだ。
「蓮華姉様のことは」
「わかっている」
「だからな。気にするなよ」
「それはね」
「有り難う」
 三人の言葉を受けてだ。今度は小蓮が俯いてだ。そのうえで頷くのだった。
 そんな彼女達を見てだ。あかりが言った。
「絶対犯人は別におるで」
「お嬢、わかったのかいな」
「ああ、今はっきりとわかったで」
 腕を組んだ姿勢で十三の言葉に答える。
「あの人等の言葉聞いてたらな。絶対にちゃうや」
「じゃあ犯人は一体」
「それはわからへんけどな」
 あかりにもそれはというのだ。
「けどな。あの人等のお友達やないで」
「そうなんだな」
「ああ、それはわかった」
 こう話してだった。二人で話をする。そして漂も顎に右手を当てて言う。木刀は左手に持ち肩にかけている。その姿勢で言うのだった。
「まあ犯人が誰かなんていいよな」
「いいんかい」
「ああ。そんなのは後で絶対にわかるさ」
 彼はあかりに対して言っていた。
「それよりもだ」
「それよりもか」
「あの人等のお友達が犯人じゃないってあの姫様にわかってもらうことが大事だな」
「そや、その通りや」
 あかりもその通りだと頷く。
「あの姫様めっちゃええ人やけれどな。もうちょっと心の修行も必要や」
「真面目過ぎて今一つ周りが見えてないのは確かだな」
 十三も孫権のそうしたところは見抜いていたのだった。
「それがよくない方向にいかないように」
「ここでちゃんとしとかなあかんな」
 こう話彼等だった。また何かが動こうとしていた。


第十六話   完


               2010・5・24

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