第十話
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ラム缶だもん。工廠に転がる程有ったもん。ざっと三、四十個は有ったもん。
すると、誰かが部屋の扉をノックしてきた。
「はーい、どーぞー。」
と言うと、扉が開いて、見たことある顔が入ってきた。
「お、木曾に天龍もか。ちょうどいいや。」
さっき球磨多摩コンビを捕まえてくれた摩耶さんだった。
「あ、摩耶さん、朝はありがとうございます。」
「いやいや、どうってこたぁねぇよ。」
そんな感じで会話していると、木曾が不思議そうな顔をした。
「あれ?お前姉貴と知り合い?」
姉貴て……と突っ込みたかったが、何となく返り討ちに合いそうだから自重しておく。
「あぁ、朝に球磨と多摩を取っ捕まえてくれてな。」
「へぇー、んじゃ話は早いな。姉貴は重巡洋艦って言われる分類の艦娘なんだよ。」
うん、今までノータッチで来たけどいい加減触れておこう。俺、艦の種類なんてわかんねぇよ。精々空母と戦艦位だ。なんだよ駆逐艦って。どう考えても一番強そうじゃねーか。なのになんだあの驚異のガキ率は。もっと言うと自分の艦種も良く知らねぇよ。なんだよ軽巡洋艦って。一気に弱そうになったなおい。
…………後で調べておこう。
「あーそんじゃ、本題に入ろうか。」
と、摩耶さんが切り出してきた。
「お前ら、今何時か分かるか?」
そう言うと、天龍が時計を見て答えた。
「えっと、一九五〇だけど………あ。」
天龍は何かに気付いた様だが、俺はこの滅茶苦茶濃い一日を早く終わらせて眠りに入りたいと考えていた。
「そうか!今日二〇〇〇から着任祝いがあったな!」
え。
俺は記憶の引き出しを開くように今日の内容を思い出そうとした。
『提督ー、夜戦はー?』
違う。もうちょい後。確か長門さんが……。
『それでは、木曾二号の着任祝いの場を設置する。場所は遊技場。時間は二〇〇〇より。以上。』
「んなこと言ってたな……。」
思い出した。天龍に気を取られて完全に忘れてた。
「ういじゃ、伝えること伝えたし、アタシは先に行ってるなー。」
と、摩耶さんは部屋を出ていってしまった。
「………行かなきゃ駄目?」
「「おう。」」
デスヨネー。
「ういじゃ、行きますかね。」
と、天龍は椅子から立ち上がり、ドアノブに手を掛けた。
「木曾?早くしねぇと置いてくぞ?」
と、木曾が木曾(俺)に向かって言った……なんだこの言葉遊びは、ややこし過ぎる。
いつかちゃんと呼び方考えて貰わねぇとな。
「分かった、今行く。」
俺はベッドから立ち上がった。
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