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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
190部分:第十六話 孫策、刺客に狙われるのことその十四

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第十六話 孫策、刺客に狙われるのことその十四

「まさか」
「はい、何とか一命は取り留めましたが」
「何っ!?」
「暗殺か!?」
 趙雲と馬超もそれを聞いて稽古の手を止めた。
「またか」
「それで何でやられたんだよ」
「弓です」
 兵士はそれだと話す。
「それに射られて」
「弓?」
「オーソドックスじゃがな」
「しかしそんなの使える場所っていったらな」
 あかりに十三、それに漂も話をする。
「宮殿の中やろ」
「そんなにあるか?」
「そうそうないんじゃないのか?」
「そうよ。私の小弓ならともかく」
 孫尚香もここで言う。
「それでも孫策姉様を射られるなんて相当な腕の持ち主よ」
「その通りです。あの方はです」
「尋常な勘の持ち主ではありません」
 二人の長老もそれを言う。だがこれは演技である。
「黄蓋殿でもなければ」
「若しくは」
「そうね」
 黄忠も二人の視線を感じながら静かに頷いた。
「私でもなければ」
「宮殿の中から射るなどはとても」
「できるものでは」
「いえ、どうやらです」
 ここで兵士はさらに言うのだった。
「宮殿の中ではなくです」
「何処から?」
「何処から射られたと」
「山です」
 そこからだというのである。
「宮殿の後ろにある。あの」
「あの山か」
「あの山からなのね」
「はい、そうです」
 また二人の長老の言葉に応える。
「そこからです」
「待て、あの山というと」
「そうだよな。愛紗と鈴々がな」
 趙雲と馬超が顔を見合わせた。
「あの二人がいてもか」
「確か甘寧殿もいたよな」
「その監視の目をかいくぐったんや。相当やで」
「ああ、甘寧っていったらな」
 あかりと十三は甘寧について話した。
「うちと並ぶ勘の持ち主やで」
「わしなんかよりずっとな」
「そんな人の監視をかいくぐったねえ」
 漂は左手で頭をかきながら述べた。
「どんな奴なんだろうな」
「それはわからないけれどよ」
 孫尚香が必死な顔で言う。
「犯人捕まえないと駄目よ」
「はい、それでは」
「すぐに捜査を」
 二人の長老が言ったその時だった。孫権が慌しく中庭に来てだ。そうしてそのうえで一同に対して言うのだった。顔には明らかに狼狽があった。
「そこにいたか!」
「蓮華様」
「お話は」
「わかっている」
 狼狽を何とか打ち消しながらの言葉だった。
「それではだ」
「はい、それでは」
「今から」
「下手人はわかっている」
 孫権は今度はこんなことを言った。
「既にだ」
「わかっている?」
「誰だよ、それ」
「山からだな」
 孫権は趙雲と馬超に応えながらだ。そのうえで兵士に顔を向けて問うた。

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