189部分:第十六話 孫策、刺客に狙われるのことその十三
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第十六話 孫策、刺客に狙われるのことその十三
「蝦夷の方の凄い力持ってた人やな」
「それで知っていたのだな」
「そや。結構有名やで」
こう趙雲にも話す。
「うち等の世界のことやけれどな」
「お嬢はあれじゃ。巫女なんじゃ」
十三があかりのことを説明する。
「それでこういうことにも詳しいからな」
「まあうち等がここに集まってるのは偶然ちゃうで」
あかりはこのことも話してきた。
「絶対に何かあるで。それが何かまではわからんけどな」
「まあ俺達はたまたまここに来てな」
漂は飄々とした笑みで言ってきた。
「それでここに置いてもらってるってわけさ」
「お陰で頼りにさせてもらってるわ」
「三人にもね」
張昭と張紘は三人を微笑んで見ながら話した。
「何かとね」
「賊を退治もしてくれるし」
「働かんと食べられへんしな」
あかりは笑ってこう述べてきた。
「そやからな。充分やらせてもらうで」
「あれっ、このあかりって」
「そうだな。鈴々に似た感じだな」
馬超と趙雲はそのあかりを見て述べた。
「何かな」
「うむ、そういうこともあるか」
「お嬢には困ったもんでな」
十三はその二人にこう話してきた。苦い顔でだ。
「もう何かっていうとどっかに行ってじゃ。好奇心応戦なんじゃ」
「それを聞くと何かな」
「さらに似ているな」
二人はそれを聞いてまた述べた。
「ああ、どうもな」
「流石に声や戦い方は違うようだが」
「だからうちは巫女なんや」
あかりはこのことを自分から言う。
「そやからな。武芸者とはまた違うで」
「わしはその家の居候じゃ」
十三はこう話すのだった。
「それで一緒におったら何時の間にかここにおったんじゃ」
「俺は遊郭で飲んでたらな」
漂も自分のことを話す。
「起きたらここにいたんだよ」
「何かそういう話ばかりなのね」
黄忠はその話を聞きながら述べた。
「本当に」
「そうね。私達も話を聞いていると」
「そう思うわ」
張昭と張紘もこのことを認める。
「そして何かがある」
「だとすればそれは何かしら」
「そうだな。ここまで大勢の人間が来ているとな」
「絶対に何かあるだろ」
趙雲と馬超もこのことを察していた。
「問題はそれが何かだが」
「只でさえ漢王朝の力が衰えてるって時なのにな」
「けれど。そういう時こそ」
「よからぬ存在が何かをするには好都合ね」
張昭と張紘はこうも考えた。
「だとしたら何が」
「何があるのかしら」
そんな話をしているとだった。
一行のいる中庭にだ。兵士が一人やって来た。
「張昭様!張紘様!」
「ええ」
「そうね」
二人はこう言い合って目配せをした。だがそれには誰も気付いていなかった。
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