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鋼殻のレギオス 勝手に24巻 +α
第四話 INグレンダン(その2)
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まとめて来てもいいんですよ」
 ある種の極論をぶちあげるクララ、だがそれはグレンダンの真理でもある。無論それで言われた側の反感が減ぜられるかというとそんな筈がない。一斉に錬金鋼を取り出し復元し、その復元光であたりが一瞬真白に輝く。
「これだけの人数に勝てると思っているの?」
 叔母のうちの誰かの科白を鼻で嗤う。
「そんな事をいうところが自分で二流の証明をしているようなものですよ」
 その一言に敵意が限界を超えて膨れ上がる。未だ殺意にまでは昇華していなかった『ソレ』が其処彼処で突破したのが感じ取れる。
「ぬかせっ!」
 誰かの怒声をきっかけとしてクララに向けて全員が襲いかかる。



「まあそんなわけで文句があるのを残らず叩き潰したんですよ」
 聞けば聞くほどあまりにも予想通りの展開過ぎて物も言えないニーナ。とはいえ以前から聞いていたグレンダンの一般的な思考から云えばむしろ普通に思えるのも確かだ。
「それでそれからは当主の仕事や女王の政務の合間に汚染獣との戦いや陛下の思いつきで行われた天剣での模擬戦といったことをこなさないといけなかったのでとても大変だったんです。官僚機構が発達しているとはいえ私が処理する量は膨大な物でしたし。事前演習だっていう事で委託は禁止されてましたから。三年も離れていると思った以上に変化が激しくって、現状を把握するのにも手間取りましたから。とまあ私の方はそんな感じだったんですが、ニーナの方はどうです? そっちはどんな感じだったんですか」
 激動の時間をそう締めくくるとニーナに話を促す。
「私の方も話す事はシュナイバルに帰ってからだな、それまでは何もないバスの旅だったから」



 開いたバスの扉からニーナが降り立つのは仙鶯都市シュナイバル、電子精霊の生まれ故郷にしてニーナの故郷である都市。同じ都市出身のハーレイも当然同じバスから降りる。
「それじゃニーナ、僕も家に戻るから」
「ああ、親父さんによろしくと伝えておいてくれ」
 あっさりと踵を返し自宅へと向かうハーレイ、同じ都市内でありまた元々家同士の親交があるため別れといっても感傷等発生しようはずがない。
 ニーナも自宅へ戻るべく足を向ける。アントーク家はシュナイバルが誕生した時から居たと云われている一族であり、有能な武芸者を多数輩出してきたシュナイバルでも有数の名門である。そのため家も中心部に近く邸宅と呼んで差支えがないほど立派なものだ。
 そんな懐かしい我が家が見えてきた事にニーナの心も浮き立つものを感じていた。半ば……というか殆ど家出状態でツェルニへ向かったため誰にもきちんとした出立の挨拶をしていないことも理由のひとつかもしれなかった。

 ニーナのいきなりの帰宅に騒ぎになる邸内を通り父の書斎へと向かう。手紙は出していたが放浪バスのル
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