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鋼殻のレギオス 勝手に24巻 +α
第四話 INグレンダン(その2)
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「それではニーナ、話を聞きましょうか」
 ロンスマイア家に招待されたニーナ、夕食も済ませたところでクララの質問が始まった。案内された部屋はニーナの目から見てもかなり上等な調度で設えられており、中央に置かれている小さな丸テーブルを挟むようにソファーが二脚置かれている。その片方に座ったクララはワイングラスを傾けている。
「ほらニーナもどうですか、おいしいですよ」
 比較的強い部類に属する酒を気にすることなく流し込むクララにニーナが心配する。
「そんなに飲んで大丈夫なのか? というかお前は飲んでもいいのか?」
「大丈夫ですよ、私は強いですから。それに私も成人しているのを忘れているんですか」
 言われてみれば成人しているのに決まっているのだが、ツェルニで別れた時から外見的変化が殆どない為に勘違いをしていた、とニーナが思っているとそれをクララも表情の変化から読み取ったようだ。
「グレンダンでは強力な活剄の持ち主ほど見た目と実際の年齢が合わないのは常識ですからね、陛下だってあれで実際の所倍位は歳くってますよ。そもそもニーナだって殆んど変化がないように思いますけど?」
 最初は普通の説明だったのが最後には少し荒くなっていた。それもそのはずでニーナも十代後半から外見上の変化はないからだ。
「うっ、まあそうなんだが。……そういえばレイフォンはどうしている?」
「さあ、どこかに行きましたよ」
 言葉に詰まったニーナが話題を変えようとする。かなり露骨だったがクララとしても別に追求しようと思う話題ではないためあっさりと転換に乗る。
「もともとグレンダンには一度帰ってくるだけのつもりだったようで、一緒にいたフェリさんとすぐどこかに出ていきましたよ。それ以降私の所に情報は来ていないのでわかりませんね、リーリンさんに聞けば別かもしれませんけど」
「そうか、それでクララは女王代理の日々を過ごしてきたのか?」
 続いてクララ自身のことについて聞かれるがそれは昼間にも聞かれた事なため些か不思議に思うも愚痴も込める気分で答える。
「ええ、ツェルニから帰った途端にいきなりですよ」



「うーん、やっぱりグレンダンの空気はいいですね。なんというか戦いの気配がします」
 そんなことを言いながら放浪バスから降り立ったクララ、本来六年のツェルニの学生期間を三年で切り上げての帰還である。
「さて、家の方はどうなっているでしょうか」
 放置していた家がどうなっているか、現在のグレンダンがあの戦いを経てどういう風になっているのか、興味津々にまずは家に向かおうとするクララに空中から声がかかる。
『クラリーベル様、お戻りになったのですね』
「えっと、あなたは……?」
 蝶型の念威端子から聞こえる声に誰だったかと思う。デルボネのイメージが強すぎるのが一つ、関わった期
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