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ポケットモンスター『強さを求める者』
『好きで面倒ごとに巻き込まれてるわけじゃない』
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さん勉強したんだ」
「…サーシャは使わないように、相性が悪すぎるから」
「…うん」
俺は腰に付けていたボールを投げ、シフォンを繰り出す。
シフォンは一瞬スピアーを見て、驚愕の表情を示したが、直ぐに笑みを浮かべた。
『かっ、ワシの初陣にはおあつらえむきの獲物じゃの』
まるでそう言っているかのような表情は、俺の緊張を解してくれた。

『防御形態』

そして出現下と同時に発動される裏特性。
『威嚇』で相手の攻撃力を下げ、『硬くなる』で自身の防御を上げる。
「シフォン、攻撃はスワンナに任せて!俺達はスワンナがダメージを受けないように受けに回る!」
「御意!」
「スワンナ!『燕返し』」
スワンナが燕返しの体制に入ると同時にシフォンはスピアーの前に出てスピアーの気を引く。

『挑発』

挑発を直に受けたスピアーはスワンナに目もくれずシフォンに襲いかかる。
シフォンは跳躍してそれを回避し、シフォンのいた所にスピアーの毒針が空をきった。
同時にスワンナの燕返しがスピアーに直撃する。
タイプ相性では有利な飛行タイプの技だ、スピアーは堪らず仰け反る。
「スワンナ、休ませないで!『ドリル嘴』!」
そして再度スピアーの傍に現れたスワンナは鋭い嘴でスピアーを襲う。
攻撃が終わり1歩引いたスワンナ。
対するスピアーは疲弊しているようで、更にこちらを警戒しているのか襲ってこない。
「まずい、相手を冷静にさせた!?」
「それ以前にスワンナの攻撃でここまで耐えること自体が異常よ、やっぱりあのスピアー、化け物ね」
ピクリと。
スピアーの肩が動いた。
ルナさんの言葉に反応した。
『化け物』という言葉に。
「…サーシャ」
「…マスターが考えてる通りだと思いますよ」
だとしたら、そもそもここで戦っていることは間違いだ。
「なに?」
「ルナさん、ポケモンセンターでスピアーの出現理由の話、したよね、多分あのスピアーは元々トレーナーのポケモンだよ、けど、あの巨体と耐久力、そして凶暴性…いくら強いトレーナーを目指していても恐れたんじゃないかな、あのスピアーを」
会話を続けている今も、スピアーは襲ってこない。
まるで俺達の会話を聞いているかのように。
人に捨てられ、『化け物』と罵られ、出会うトレーナー全てに恐れられ、逃げられる。

孤独なあのスピアーが、俺には可哀想に見えてきた。

捨てられた時はまだ人を恨んでいなかっただろう。
スピアーは何も悪くないのだ。
ただ、強くなりすぎた。
それだけで、人に、俺達人間に虐げられたスピアーの気持ちを、俺達は理解してやるべきだったのかもしれない。
「サーシャ、スピアーと話せる?」
「少し待ってくださいね………大丈夫そうです、私が話してきますね」
サーシャはそう言ってスピアー
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