『好きで面倒ごとに巻き込まれてるわけじゃない』
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鳴き声。
スピアーの群れだ。
「サーシャ『フラッシュ』」
サーシャに目眩しを頼み俺はその隙に発煙筒を灯して再び走る。
とにかく、他のトレーナーと合流しないとこの暗闇では戦闘ができない。
「ルナさん!なんでバレたと思う!?」
「スピアーの複眼は暗闇でも機能するの!噂によれば熱感知らしあわ!」
熱感知、やられた!
確かにそれなら明かりは関係ない。
だがこのスピアー達は何処から来た?
いつの間に俺達を取り囲んだ?
やはりこの森、何かがおかしい。
とにかく走りひたすら走り、なんとか逃げ切った俺達は少し開けた場所に来ていた。
そこには既に数人のトレーナーがおり、何人かは怪我をしているようだ。
恐らく他の道を行ったトレーナー達なのだろう。
話を聞いてみると怪我をしたトレーナー達もスピアーに襲われたらしい。
直ぐに発煙筒は焚いたがなかなか合流することは出来なかったそうだ。
「どうゆうことだ?ここにいる全員が同時に襲われたなんて」
「…ねえ、もしかしたらトキワの森の『どこか』にスピアーの巣があるんじゃなくて、この森『全体』がスピアーの巣ってことは?」
…その言葉に戦慄が走る。
それは俺だけではなく、周りのトレーナー達も同じようだ。
そしてここにはいない他のトレーナー達、今俺達がいるのとは別の道を行ったトレーナー達も同じ目にあっているとしたら…。
「マスター、何か来ます。」
サーシャがある一点を見据えながらそう言った。
俺もサーシャの見る方を見る。
ブゥゥゥゥゥ……ウゥゥゥゥン。
羽音だ。
だが1匹分しか聞こえない。
「…どうやら、私達が当たりを引いたみたいね、アンタは下がってなさい、私がやるわ」
ルナさんがそう言うと一つのボールを投げる。
現れたのは白い翼を大きく広げた美しい白鳥ポケモン、『スワンナ』。
水、飛行タイプのポケモンだ。
そして、スワンナが繰り出されたと同時に羽音の主も姿を見せた。
「…なっ!?…だよ、それ…」
現れたのはスピアー。
それも俺の2倍ほどの大きさのスピアーだ。
けどそんなものはどうでもいい、巨大だと聞いていたからまだ想定内だ。
俺が注目したのはスピアーの両腕の毒針だ。
その巨大な針は赤黒く染まっていた。
トレーナーのものか、ポケモンのものか、恐らくは両方の血液が大量に付着しているのだろう。
一体どれだけの数が被害を受けたのか。
「ル、ルナさん、流石に1人じゃ無理だ、俺もやる」
「いい、邪魔」
体が恐怖に震えるのを無理やり押さえ込み、ルナさんに問いかけるが即答で一蹴される。
けど、だけど、ここで引くわけにはいかない。
考えたくないが、ルナさんが敗北すればルナさんも俺も、ここにいる人たち全員が危ないのだ。
「やるよ、邪魔にならないようにする、俺だってたく
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