第82話 大事な場面に横槍を入れるときは相応の覚悟をしとかないと後で後悔しても遅い
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りだから。だからおじさんも気にしなくて全然平気だよ」
「そうか、じゃ・・・お前の出した答えを聞かせてくれ。俺と一緒に来るか?」
高杉の問いに誰もが異を唱えたい思いだったのを堪えていた。その問いを答えるのは他でもない。なのは自身なのだから。
周りに居た誰もが彼女の出す答えを待つ姿勢になっていた。
銀時の額から冷汗が流れ落ちる。
なのはが高杉を選ぶ―――
そんな可能性が銀時の中に微かにだが宿っていたからだ。もし仮に、なのはが高杉と共に行く事を決めたとして、自分はどうすれば良い。それを体を張ってでも止めるべきか? それとも、見送るべきか?
止めたとして、なのはは自分の事をこれからも父親として見てくれるか?
考えれば考えるほど不安が募るばかり、答えなど出る気がしなかった。
1秒1秒がとても長く感じる。まるで、何時間もこのままで居たかの様な錯覚を覚える。
「あのね、おじさん。私―――」
なのはが答えを言おうとした正にその刹那だった。突如として上空から何かが降って来た。振ってきたそれは甲板に当たると炸裂し、爆発を起こし、周囲に衝撃を与えた。
「わっ!」
「何だ!?」
「ちっ!」
突然の襲撃に一同は完全に面を食らった。衝撃と爆煙、そして同時に眩い閃光が視界を塞いでいく。
恐らく閃光弾を交えて放ったと思われる。
視界が白面一色に染まり、今地面に立っているのか倒れているのかすら分からない状態になった。
「ターゲット発見! これより確保に当たります!」
『よし、ターゲットの確保を最優先としろ。残りはすべて始末しろ! 我らの計画をこの世界の奴らに悟られてはならない』
「了解」
襲撃を指示したであろう者が物陰から手腕で指示を出す。その指示の後に船内から大勢の武装した局員達が甲板に流れ込んできた。
「う・・・うぅ・・・はっ!」
ようやく意識がはっきりしたなのはは起き上がろうとする。だが、意思に反して両手が動かない。
見れば上半身を鎖状の何かで拘束されてしまっていた。
そして、周囲には見た事のない得物を携えたこれまた見た事もない服装をした連中がぞろぞろとなのはを取り囲んでいる。
「誰? あんた達誰? お父さんは? おじさんは? 皆は?」
「目標の確保に成功。回収を急ぎ頼みます」
『了解、座標を確認した。直ちに転移する』
通信を切ると、上空に無数の空間の歪みが起こる。歪みは次第に大きくなり、やがて、その巨大な歪みから複数の巨大な飛行船が姿を現した。
その総数、実に5個師団に匹敵する程の。
「船団の到着を確認。直ちにこちらと目標の回収を頼みたい。おい、そいつを抑えつけろ!」
男が指示をし、それを受け数人の局員が動けない状態のなのはに近づく
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