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駄目親父としっかり娘の珍道中
第82話 大事な場面に横槍を入れるときは相応の覚悟をしとかないと後で後悔しても遅い
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ば俺たちの倒すべき相手、ラスボスなんだよ分かるか?」

 真っ赤になった鼻を抑えながら涙目を浮かべつつ熱弁する銀時。その彼の熱意が彼女に伝わったのか、目の前でなのはは首を横に振りだした。

「そんな訳ないよ。おじさんお父さんが言うような酷い人じゃないよ」
「あのなぁ、お前こいつの何が分かるってんだよ!」 
「分かるよ。少なくともお父さんよりは出来た人だって事は分かるもん!」
「ふざけんな! こんな要注意人物より俺の方が出来てねぇってのか!? ないない、絶対ない! だって俺主人公だよ。主人公の俺がこんなサイコパスより酷いなんてあり得ないから」

 よりにもよってなのはに言われた事が相当ショックだったらしい。高杉と言う危険人物を前にして銀時は頭を抱えてしまいたくなった。

「随分な言われようだな。お前、娘に愛想尽かされてるんじゃねぇのか?」
「黙れよ。てめぇこそのこのここんな所に出てきやがって。そんなに斬られてぇってんなら望み通りに―――」
「だからダメだってば!」

 銀時の道を阻むかのように高杉の間になのはは割って入って来た。

「お前こいつがどれ程危ない奴か分かってないのかよ!? こいつの肩なんて持った日にゃぁ命が幾つあったって足りぁしねぇんだぞ」
「そんなの分からないじゃない。それにこの人はお父さんが言う程酷い人じゃないんだからねぇ! 昨日だってたくさんお話したんだしさぁ」
「何それ? お父さんの目を盗んで危ない恋に目覚めちゃったとか? ダメダメ認めませぇん。お父さんそんな恋絶対認めませんよぉ」

 次第に二人の口論がエスカレートしだしてる気がする。このまま放っておくととんでもなく面倒な事になりかねなさそうな気がした。

「ちょ、ちょっと二人ともその辺にして! 今はどうやってこの船から逃げるかが最優先じゃないですか!」
「その通りだ銀時! 確かに高杉に対する因縁は俺にもある。だが、今優先すべき事はここからの脱出。それが第一ではないのか?」
「そう言うのは敵の目の前で言うセリフじゃねぇだろう。お前も随分間抜けになったもんだなぁヅラ」
「ヅラじゃない、桂だぁ!」

 仕舞いには高杉にまで指摘されてしまう始末。駄目だ、今のこの面子ではこの阿鼻叫喚の空気を打開する方法がない。頼りにと思った桂でさえもこのカオスな空気に呑まれてしまっているし、神楽も神楽でそろそろ限界っぽい。鉄子に至っては余りにも唐突な展開についていけずオロオロしっぱなしと来ている。
 ここは自分が動くしかない。例え可能性が低くても挑戦しなければならない。それが若さなのだから。

「とにかく、今は此処で口論してる場合じゃないんですってば! 銀さんもなのはちゃんも一旦落ち着いて下さいよ」
「バーロィ! これが落ち着いていられるかぁ! 親の
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