第九話
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「あぁ、妖精さんだよ。艦娘の艤装だったりに憑いてるんだよ。」
そんなもんが居てたまるか。と思ったが深海棲艦が居る時点でそんなものは戯言に過ぎないか。
妖精はそのまま釜の前に行き、釜の中身を見た。そして、早く押せとも言わんばかりにこちらを見てくる。
「うん、もう押して良いよ。」
おし、ういじゃ男七宮 千尋。いっちょ行きますか。
「そぉいっと。」
俺がボタンを押すと、妖精が釜の中に入って行った。そして、中でドンカン鳴ってた。
いやまて、何かできるかも知れないしできないかも知れないし爆発するかも知れないしってそう言うことか。そりゃあ何ができるか分からんわ。
少しの期待と大きな不安を抱えながら待つこと一分。
よっこらせという感じで妖精が出てきた。
「さーて、何ができたかなーっと。」
明石さんは、釜の中を覗いた。
「…………また中途半端に運いいな…。」
明石さんはそう呟いて中身を出した。
「…………えっと、これってドラム缶?」
それはどう考えてもあの良くあるドラム缶だった。
「このドラム缶高性能でねー。遠征とかに持ってくと通常よりたくさんの資材を運べるんだよ。」
「ドラム缶に高性能もへったくれもねぇだろ。」
ドラム缶はドラム缶だ。何か入れるための物だし。
「くっくっ……いやいや、初めての開発でできたのがドラム缶って!お前持ってんな!」
と、爆笑する木曾。うるせぇよ。俺だって正直今微妙な気持ちなんだからさ。
「も、もう一回!もう一回させてくれ!」
流石にこんな結果ではなんとも後味が悪い、と思って明石さんにお願いする俺。
「ま、別に良いけどね。ただ、本当にあと一回だけだからね?」
OKが出た。
今回は燃料と弾薬とボーキサイトを十個、鋼材のみを三十個にしてみた。
「うしこい!」
俺はボタンを押した。
―――――――――――――――――
「いやー、良かったなー。できた装備貰えて!」
「おう。」
「俺もこの装備は自分で作ったもんだしな、お前も大切にしやがれよコンチクショウ。」
「おう。」
「このドラム缶ふたつ。」
「………おう。」
今俺は自分の部屋に居るのだが、部屋のまん中にはふたつのドラム缶が置いてあった。
……要するにさっきの開発でもう一個ドラム缶ができたというわけだ。どうしてこうなった。
「全く!こんな重いもん部屋まで運ばせやがって!」
「いやだってもう一個ドラム缶ができるとか思わないじゃんか!もっと言えば明石さんが持って帰っていいとか言うと思わねぇだろ!」
も
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