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提督はBarにいる。
生酒について学ぶ
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「はぁ、香取の着任記念日ねぇ……」

「そうなんです提督さん!」

 鹿島にそんな相談を受けたのは、ちょうど鹿島が秘書艦を受け持った日の事だった。とは言え香取がウチに着任したのは何年も前。今や演習の指揮や新任の艦娘への一般教養の教官として『香取先生』は人気が高い。

「だからこそ、ですよ!来月は香取姉の誕生日もあるんです。でも香取姉『こんな歳で誕生日のお祝いは恥ずかしい』ってお祝いさせてくれないんです……」

 姉妹仲が良好な2人だが、香取は特にも教導艦としてのポジションを期待されてか建造当時から精神年齢が高い。自分の事をおばさんに近いと捉えているらしく、気恥ずかしさがあるようだ。

「成る程……まぁ解った。そういう頼みなら俺も受けてやる」

「本当ですか!?じゃあ、お礼は鹿島のカラd……」

「それはいらん」

 忘れていたが、鹿島の奴は俺に惚れているらしい。しかもちょっと危ない方向に。錬度は92とケッコンは間近なのだから、もう少し我慢しろと言いたい。鎮守府内の鉄の掟『提督に手を出していいのはケッコンしてから』を破るとエラい事になるのだ……お互いに。しかも鹿島は1度“やらかしている”疑惑を持たれているのだ。ウチのおっかない連中とOHANASHIさせるのは避けてやりたい。

「もう、提督さんはいけずです!」

「うるせぇ、それよりメニューのリクエストは?香取の好きな食いもんとか酒とか、何かあんだろ」

「あ、お酒は持ち込みたいのがあるんです。それとお料理は天ぷらを」

 む、ウチに酒を持ち込みたいって?それはウチのラインナップじゃあ満足できないという挑発か何かか。まぁ、何か特殊な酒なんだろうけどな。

「OK、適当に見繕っとくわ」

「うふふ、お願いしますね提督さん♪」

 さて、何にするかな……。




 それから数日後、鹿島の予約を入れた当日。

「もう、鹿島ったらいつも強引なんだから……」

「まぁまぁ香取姉、今日は折角のお祝いなんだから。怒らないで楽しんで、ね?」

 無理矢理引っ張って来られた香取が少しご立腹だが、まぁ概ね予定通りか。

「そうだ、『香取先生』にゃ普段から世話になってるからな。俺からの労いだと思って今夜は楽しんでくれ」

「もう!提督まで私をからかって……」

 香取は恥ずかしいやら嬉しいやらで、頬を紅く染めている。何というか、熟女的というか大人の落ち着いた色香を感じる。

「ところで、鹿島が酒を持ち込みたいって話だったが……どんな珍しい物を持ってきたんだ?」

「ふっふっふ……これです!」

 カウンターに置かれたのは、なんの変哲もない一升瓶。ラベルも貼られていない所を見ると、一般的に売られているような物では無いのか?中の液
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