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魔界転生(幕末編)
第88話 魔界衆との戦い(その参)
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た。
 その姿は沖田と同じくだんだら模様の衣装を羽織っていた。
「まさか、、、、、、」
 沖田もまたその姿に驚きを感じていた。
「元新撰組副長・土方歳三。縁あって柳生十兵衛三厳殿に助太刀致す」
 生前、柳生家から典太を借りて使っていたが、今は自身の愛用を手に沖田の攻撃をすべて受けきっていた。
「まさか、土方さんも転生してくるとはね。しかも、再び相交えることができるなんて嬉しいかぎりです」
 沖田は、にやりと笑った。
「いいや、お前の相手は俺ではないよ、総司」
 それを聞いていた十兵衛は自らに傷を負わせた沖田という少年と死合いたいと思っていた心境を見破られたように目を大きく見開いた後、にやりと土方に笑ってみせた。
「な、十兵衛先生は私が倒すのだ」
 田宮は土方と名乗った男にいった。
「いいや、坊太郎。俺はこの沖田という少年と死合う。斬られたままでは俺の面子が立たん」
「そうですね。どうやら田宮殿は、この土方が怖いらしいようです」
 十兵衛の言葉を継いで土方は、皮肉めいた笑みを浮かべ言った。
「調子に乗るなよ、小僧!!この私がどこの馬の骨からわからん者にやられる訳なかろうが」
 田宮の目が怒りで吊り上っている。
「俺からみれば田宮殿の方が小僧にみえますがね」
(大胆不敵。かつての剣豪・田宮坊太郎を小僧扱いするとはな)
 十兵衛は田宮を挑発し続ける土方歳三という男の度胸に感心した。
「き、きさま!!」
 田宮は刀に手をかけ、間合いを詰めようと走りだす体制をとった。が、田宮より先に土方が走り出した。
「ばかめ!!自ら間合いに入ってくるとは」
 田宮の居合は、まさに疾風。一度抜けば十兵衛の網傘と同様粉みじんに切り裂かれるだろう。が、抜くことが出来なかった。
 田宮流抜刀術の特徴は、通常の刀の柄の長さより3寸長い。
 そこに利点があり、弱点でもあった。
 土方は、そこを突いた。柄の先端部を足で抑え、抜けないようにしたのだった。
 これには、田宮も驚かざるを得なかった。そして、その一瞬を逃さず、土方は田宮の身で腕を切り落とすと大量の血が田宮の腕から噴き出した。と同時に土方は田宮を脳天から斬り伏せた。
 田宮は、信じられないといった風に目を見開き前のめりに倒れこんだ。
「はは、やるな」
 十兵衛はその決着を見るやにやりと微笑んだ。
「さすが、土方さんだ。では、こちらもやりあいますか、野獣十兵衛殿」
 沖田は低い体勢に構え刀を地上と水平に構えた。が、その瞬間、身体が動けなくなっていた。
 それは、柳生十兵衛という男の強すぎる剣気というもののせいだった。
 十兵衛が発する気によって、沖田の目にはものすごく巨大な姿にみえた。
  確かに沖田は、今まで人斬りと言われた者達や討幕の志士たちと対峙し、負けることなく切
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