第16話『乱刃の華姫〜届かぬ流星への想い』
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「どこにあいつらの拠点があるのか見当ついているの?」
「ああ。多分――」
◇◇◇◇◇
(やれやれ。本当はこんなところで寄り道している場合じゃないのに)
と凱は愚痴をこぼしつつも、しっかりと義理を果たそうとする。
うっとおしい草むらを踏み倒しながら、とぼとぼ歩いていると、稼ぎあての『目的地』へ着く。
「ここだな。やっぱり巣窟とするには、ここはうってつけだね」
「こんなところに巣窟があったなんて……よくわかったね。ガイ」
「夜盗が人を襲う好条件は二つあるんだ」
感心ついた彼女は凱の説明を聞いていた。。
一つは『夜の闇に紛れて』
二つは『月の影に隠れて』
「月が身を隠すため……『朧』の国レグニーツァ……組織が隠れそうなところか、このあたりしかない」
「結構詳しいだね。ガイ、あんたはもしかしたら、あいつらの仲間?」
「なんてこと言いやがる……おっと!おしゃべりはここまでだぜ!」
すでに感づかれたのか、夜盗はすっかり総動員で二人を取り囲んでいた。
「観念するんだな!恥を承知でこんだけの人数をそろえたんだぞ!」
おそらく、取り逃した一人が先にアジトへ戻っていたのだろう。だからここまで手際がいいのかと、感心してしまう。
凱とフィグネリアの二人は戦闘態勢に移行する。
「……ざっと200人か。思ったより数が多いね。ガイ。半分任せてもいい?」※2
「いいのか?」
「ここであの人数は流石に勘弁。ここは一進一退の撃破に限る」
「賛成!」
200人。一大兵団と呼べる組織人数だ。巣を駆除するには、彼女にとって都合がいいのだろう。
つまり、速度差で巻いては斬り捨て、それを繰り返して『一対一』の状況で始末する気だ。
幕末で数に劣る維新側が、新選組に仕掛けた戦法のそれだった。
「はあああああ!」
獅子の四肢に、喝を入れる勇者。
隼の一撃離脱が、連中の浮足をつくらせる。
まずは、適度に数を減らすため、かたっぱしから打倒していく。
相変わらず、凱は『得物』を布に巻いたままだ。にも拘わらず、振りぬく一閃にキレがある。
確かに相手を無力化するだけなら、それだけでカタがつく。獲物の強度に任せて振り回せば、おのずと結果は現れる。
そろそろ頃合いか――
それぞれ獲物を交錯させながら、フィグネリアと凱の二人は言葉をかわす。
「フィグネリア。足に自信は?」
「あんたより速いつもりだ」
「上等!」
「何をする気?」
「後で説明する。まあ俺のあとについてきな!」
さっさとしっぽを巻いて、尋常ならざる速度で退散する隼と獅子。これまでの交戦は、『挑発』が狙いだった。
そして、凱の目測通り、見事に夜盗の連中が『釣れ』てきた。
さらに、逃走速
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