暁 〜小説投稿サイト〜
遊戯王GX〜鉄砲水の四方山話〜
ターン72 冥府の姫と変幻忍者
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 こればかりは、そうでないことをただ祈るしかない。

「銀河眼の効果発動、銀河忍法コズミック・ワープ!このカードと相手モンスターがバトルするとき、互いのモンスターを一時的にゲームから除外します!」
「でもこれで鎖付きブーメランは装備対象の消滅による自壊が起きるよ、ってさ」
「承知です!」

 ワイトキングの骨の拳が命中した瞬間に銀河眼の全身がこれまで以上に激しい光を放ち、目も眩むような閃光とともに2体のモンスターが次元の狭間に消えていく。そう、ここまではいい。わかっている、予想通りの流れだ。あとはこのカードさえ、通れば……!
 だが次の瞬間、そんな彼女の想いは打ち砕かれた。ディメンション・ワンダラーの効果を発動しようとした寸前、場に再び閃光が走ったかと思うと、銀河眼だけが再び場に現れたのだ。しかもその手には失われたはずの鎖付きブーメランが握られており、これはつまり除外自体が行われていないことを意味している。

「トラップ発動、闇霊術−欲。私は闇属性モンスター、つまり銀河眼の効果対象になったワイトキングをリリースして、デッキからカードを2枚ドローできるってさ。だけど相手はこのカードの発動を、手札の魔法カード1枚を見せるだけで無効にできる。どう、葵ちゃん?」
「……いいえ、通します」

 彼女の手札は、ディメンション・ワンダラーを含む2枚。だがその2枚はどちらもモンスターであり、闇霊術を無効にすることはできない。それにどちらにせよ、銀河眼の効果は除外するモンスター2体が効果解決時に場に残っていない限り不発となってしまうため、コストとしてリリースされた時点でどうしようもない。
 だが、結果としてまだ銀河眼とディメンション・ワンダラーの2枚は彼女の手元に残っている。夢想の行為は確かに予想外だったが、結局のところ敗北を先延ばしにしただけに過ぎない……そう自分に言い聞かせた。そうだ、この2枚が揃っている限り、私に負けはない。無双の女王に、今日こそは土をつけてみせる。
 だがそんな彼女の決意を打ち砕くように、夢想は引いたカードを見て笑う。その笑みは葵にとっては勝利を掴んだものの笑みであったが、同時に明菜の目にはそれは、どこか寂しそうにも見えた。ああ、またか。また私は、勝ち続けるのか、と。

「……ありがとう、葵ちゃん。楽しかったよ、ってさ。速攻魔法、エネミーコントローラーを発動。葵ちゃんがさっき守備表示にしたワイトキングをリリースして2つ目の効果を発動、銀河眼の光子竜のコントロールをこのターンに限り私が得るよ、だって」
「そんな、これでは……」

 銀河眼が奪われ、葵の場のモンスターがいなくなる。ディメンション・ワンダラーは相手の場の銀河眼が効果を発動した場合でも効果を使えるものの、そもそも銀河眼は相手モンスターとの戦闘でしか効果を使
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