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遊戯王GX〜鉄砲水の四方山話〜
ターン72 冥府の姫と変幻忍者
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忍者ヤエ!」

 女忍者ヤエ 攻1100

 成金忍者が小判を1枚頭上に放り投げると、その小判が爆発して中から緑色の髪をしたくの一が現れる。マフラーをなびかせ印を組むと、フィールドに小型の竜巻が起きた。その風に流され、夢想の場に唯一残っていた伏せカードが空高く巻き上げられる。

「女忍者ヤエは手札の風属性モンスターをコストに、相手フィールドの魔法・罠を全て手札に戻します。言うまでもありませんが、捨てたのはこれもたった今サーチした機甲忍者エアーです。では河風先輩、覚悟!まずは女忍者ヤエの攻撃です!」

 葵の場の忍者軍団が臨戦態勢に入り、その先陣を切ってヤエが飛び出していく。風のように走り抜け、身を守るカードが何もない夢想に一撃を加えた。

 女忍者ヤエ 攻1100→200→夢想(直接攻撃)
 夢想 LP3800→3600

「あれっ?ダメージ少なくない?」

 再三の妹の言葉をまたもや無視した明菜が疑問を発する。だが、今回ばかりは葵にもそれを咎める余裕はなかった。攻撃力が急激に下がったのは、ヤエだけではない。場の全ての忍者が、急激な力の喪失に苦しんでいる。

 忍者マスター HANZO 攻1800→600 守1000→0
 成金忍者 守1800→600 攻500→0
 黄昏の忍者将軍−ゲツガ 守3000→600 攻2000→0
 黒竜の忍者 攻2800→700 守1600→0

「こ、これは……!」
「惜しかったね葵ちゃん、だって。私は手札から、ワイトプリンセスのもう1つの効果を発動したんだってさ。このカードを捨てることで、場に存在するすべてのモンスターの攻守はこのターンの間そのレベルの300倍だけ減少するよ、って」
「レベル4でも攻守1200ダウン……とんでもない倍率ですね。だから特にゲツガと黒竜の被害がひどいわけですか。さすがは河風先輩です、ヤエのバウンスが通った時点で勝てたと思ったんですけどね……ですが、まだ私の忍者たちには戦う力が残っています。HANZO、黒竜の2体で続けてダイレクトアタック!」

 2体の忍者が辛うじて立ち上がり、追撃に移る。本来の実力の半分も発揮できない状況とはいえ、それでもその連携攻撃は確実に夢想のライフを削り取った。だがその数値は、これまでの攻撃をすべて合わせてもまだ初期ライフの半分にすら届かない。今のターンを勝負どころと見て出し惜しみせずカードを使った葵にとっては、まるで褒められた結果ではない。

 忍者マスター HANZO 攻600→夢想(直接攻撃)
 夢想 LP3600→3000
 黒竜の忍者 攻700→夢想(直接攻撃)
 夢想 LP3000→2300

「耐えきられたのは痛手ですが、まだ負けたわけではありません。ターンエンドです」
「これでこのエンドフ
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