アージェント 〜時の凍りし世界〜
第一章 《凍てつく白銀の大地》
ゼスタ事変B
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間協力者、スノウスフィア研究の第一人者であるドウェルが参加するのであれば犯人の目的も見えてくるだろう。
「えっと……犯人の名前は白峰暁人さんって人で……」
「白峰暁人!!?」
「ふぇ!?」
フェイトが名前を告げた瞬間、ドウェルの顔色が変わり、突然フェイトの肩を掴んで揺さぶる。
「え、ちょ、ど、ドウェルさん!?」
「白峰暁人だと!?間違いないんですか!!」
取り乱すドウェルの様子は間違いなく暁人を知っている為のものだ。
「や、奴には妹がいる筈ですが……!」
「氷雪ちゃんの事ですか?」
「氷雪……白峰氷雪で間違いないのですね!?」
「は、はい……御存知なんですか?」
そこで我に返ったのか、ドウェルはフェイトの肩を放し、一人で考え込む。しばしの沈黙の後、ドウェルが口を開く。
「ええ、確かに知っています。ですが……信じがたい話ですので、少々整理する時間を頂いても?」
「え?えっと……余り掛かると困るんですけど……」
「………分かりました。明日、アースラに資料をお持ちします。その時に……」
「は、はぁ……。」
「……では、今日はここで。」
そう言ってドウェルは足早に立ち去っていった。去り際の呟きは誰にも聞こえていなかった。
「白峰暁人……“生きていたのか”。そして、白峰氷雪……否、《白雪姫》。今度こそ……彼女を……」
「暁人、氷雪ちゃんの容態だけどね。」
「分かってる、薬が手に入らないからな。安定させるには……」
「お察しの通り、今以上のスノウスフィアが要る。」
眠る氷雪のベッドの傍で、暁人とミハイルが話し合っていた。今回の暴走は今までで最大の物であり、また、暁人一人で止められる物でも無かった。
氷雪の体にかかる負担も尋常では無く、次の暴走には耐えられないというのがミハイルの診断だった。
「ミハイル、すぐに安定させるには幾つ必要だ?」
「………最低でも8つ。でもフリーなスノウスフィアは……」
「ああ、後一つだけだ。俺たちが五つ、未発掘のが一つ。後の六つは………」
「……研究所、か。」
アージェントに存在する管理局のロストロギア研究所。人口が少なく、空白の土地が多い為に多少危険な研究も出来るという訳だ。スノウスフィアも此処で研究されている。
「……警備は、間違いなく強化されてるよ。何せ、“奴”の本拠地だ。」
「分かってる。……エヴァがアースラに潜り込んでくれた。あいつが上手く撹乱してくれる。少なくともエース三人は居ない筈だ。」
現状暁人にとっての最大の驚異はあの三人であった。あの三人以外であれば残りは有象無象と言い切って
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