第四十話 神戸に帰ってその二
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「そう思うと」
「そう思うか、しかしな」
「しかし?」
「そこまで深く考えることもないからな」
お父さんは私にこんなことも言ってきました。
「別にな」
「そうなの?」
「もっと軽く考えていいんだ」
「軽くって」
「御前は確かに長女で家のことがあるがな」
「教会継がないといけないから」
私が会長さんになる場合も考えています。
「だからね」
「それはそうだがな」
「それでもなのね」
「なってくるのが、だからな」
それが天の理だからというのです。
「気を張らなくてもいいんだ」
「そうなの」
「というかあんたはね」
お母さんも言ってきました。
「いつもそうして気を張り過ぎるのよ」
「そうかしら」
「ええ、そんな真剣に考えないで」
「なってくるのが、なのね」
「普通に信心していればね」
なってくるというのです。
「だからそこまで気を張らなくていいの」
「お母さんもそう思うの」
「だって普通にお母さんもお父さんがお婿に来てくれたから」
「ははは、最初はそんなこと思わなかったな」
お父さんはお母さんにお顔を向けて笑って言いました、何か夫婦揃ってという感じで見ていて仲がいいんだな、って思いました。
「まさかな」
「教会に入ってね」
「一緒にやっていくなんてな」
本当に思わなかったという感じのやり取りでした。そして私にあらためて今度は二人で言ってきました。
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