暁 〜小説投稿サイト〜
おぢばにおかえり
第四十話 神戸に帰ってその二

[8]前話 [2]次話
「そう思うと」
「そう思うか、しかしな」
「しかし?」
「そこまで深く考えることもないからな」
 お父さんは私にこんなことも言ってきました。
「別にな」
「そうなの?」
「もっと軽く考えていいんだ」
「軽くって」
「御前は確かに長女で家のことがあるがな」
「教会継がないといけないから」
 私が会長さんになる場合も考えています。
「だからね」
「それはそうだがな」
「それでもなのね」
「なってくるのが、だからな」 
 それが天の理だからというのです。
「気を張らなくてもいいんだ」
「そうなの」
「というかあんたはね」
 お母さんも言ってきました。
「いつもそうして気を張り過ぎるのよ」
「そうかしら」
「ええ、そんな真剣に考えないで」
「なってくるのが、なのね」
「普通に信心していればね」
 なってくるというのです。
「だからそこまで気を張らなくていいの」
「お母さんもそう思うの」
「だって普通にお母さんもお父さんがお婿に来てくれたから」
「ははは、最初はそんなこと思わなかったな」
 お父さんはお母さんにお顔を向けて笑って言いました、何か夫婦揃ってという感じで見ていて仲がいいんだな、って思いました。
「まさかな」
「教会に入ってね」
「一緒にやっていくなんてな」
 本当に思わなかったという感じのやり取りでした。そして私にあらためて今度は二人で言ってきました。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ