第四百三十四話
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第四百三十四話 博士と牛乳
小田切君はある日研究室で朝に牛乳を飲む博士に気付いて博士に尋ねた。
「牛乳も飲まれるんですか」
「好きじゃぞ」
「あれっ、そうだったんですか」
「何を言う、毎朝飲んでおる」
パックの牛乳を飲みながらの言葉だった。
「こうしてな」
「そうだったんですか」
「ワイン以外も飲んでおる」
しっかりと、という返事だった。
「牛乳も野菜ジュースもな」
「栄養補給で」
「そうじゃ」
まさにそれでというのだ。
「勿論食事からも摂っておるが」
「飲みものからもですか」
「摂っておる」
そうしているというのだ、言いながら博士は牛乳をごくごくと美味そうに飲んでいる。しかもおかわりまでしている。
「こうしてな」
「そうだったんですね」
「意外な様じゃな」
「ワインのイメージが強くて」
博士の飲みものといえば、というのだ。
「ですから」
「まあ確かによく飲んでおるしのう」
博士もこのことを否定しない。
「毎晩じゃしな」
「ステーキと一緒にですから」
「それはその通りじゃ」
博士は小田切君に否定せずに答えた。
「しかし朝や研究の合間はこうしてじゃ」
「牛乳も飲まれていますか」
「そうじゃ」
「わかりました、覚えておきます」
「その様にな、これはずっと変わらん」
そのずっと、という期間がどれ位かというと。
「二百億年昔からな」
「ビッグバンからですね」
「楽しんでおる」
三杯目も飲みつつ言う博士だった。
「野菜ジュースも然りじゃ」
「ビタミンもちゃんと摂ってますね」
「実際朝はやたらサラダを食しておるではないか」
「ああ、そういえばそうですね」
「野菜も果物もしっかりと食しておる」
「栄養バランスを考えないとですね」
「研究も戦闘も出来ん」
そのどちらもというのだ。
「だから栄養は考えておるぞ」
「牛乳も飲んで」
小田切君は博士が牛乳を飲むのを見てわかった、博士はそうしたこともしっかりと考えているのだと。
第四百三十四話 完
2017・4・5
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