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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第八十八話 これが両雄の初対決になるでしょうか。(その2)
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があふれ出ている。まるでそれは彼女の座乗している旗艦ごと包み込みそうな勢いだった。
「蹂躙してやりなさいッッッ!!!!」
これまで叩かれに叩かれっぱなしだった彼女の艦隊は身を震わせた。一瞬動きをとめたのは次の跳躍に備えての「タメ」に他ならなかった。次々に艦首を上向きにしたティアナ艦隊は驚くべき速度と勢いをもってヤン艦隊を噛み裂きにかかったのである。


先鋒と先鋒が激突した。一瞬でヤン艦隊の先陣が微塵に砕け散ったのが遠目にわかった。


「眠れる獅子を、怒らせてしまったか。」
艦橋でヤンがつぶやいた一言は平素ならば下手な冗談として受け入れられただろうが、今目の前の光景を目の当たりにしてそれを冗談ととらえる人間は一人もいなかった。
「敵は秩序を取り戻しつつある。信じられないが、これも司令官の薫陶と手腕という奴だろう。全艦隊は速やかに後退。敵が進路を変える前にできるだけ引き離し、要塞に帰投せよ。」
ティアナ艦隊はヤン艦隊を下方から上方に貫いて引き裂こうとしている。ヤン艦隊としてはその鋭鋒に巻き込まれてはたまらない。快速をもって後退し、さっさと撤退するに限るというわけだ。これを見て第十六艦隊も第十三艦隊も目の前の敵に対して砲撃を倍加させ、全力を挙げて敵をはねのけようとした。ミッターマイヤー艦隊、ジェニファー艦隊は総力を挙げて応戦をし、ここに大激戦が展開された。
 だが、これこそがラインハルトの待ち構えていた状況だった。各艦隊が目の前の敵に集中し、空隙が生じていたのである。
「今だ!!」
ラインハルトはブリュンヒルト艦橋で指令を下す。彼の本隊と予備隊として控えていた艦隊が動き出したのはその直後だった。
 ラインハルトの本隊は突如前進し、驚くべき速度をもって展開、時計回りに第十三艦隊を包囲下に置いたばかりか、イルーナ艦隊が下方から攻めかかり第十六艦隊を邀撃、さらに上方からはミュラー艦隊がその砲火を叩き付けてくる状況が具現化したのである。ロイエンタール艦隊、ミッターマイヤー艦隊はそれぞれラインハルトの本隊、イルーナ艦隊の支援に回っている。

 つまりは同盟艦隊はいつの間にか3方向からしかも効率的に狙い撃ちされる状況下に追い込まれていたのであった。
 
 同盟艦隊はこの包囲を死力を尽くしてはねのけたが、大きな犠牲を出した。一つにはラインハルトの意を受けたキルヒアイスが一隊を率いて前進し、同盟軍の艦列を散々にかき乱したことがあげられる。クレベール中将が決断し、アーレ・ハイネセンを前面に進出して一手に艦隊の攻撃を引き受け、さらに要塞を殿として回廊を脱出する戦術に転換しなかったら、いずれも全滅していただろう。

 第十六艦隊は艦艇損傷数8593隻、死傷者793,859人。第十三艦隊は艦艇損傷数7592隻、死傷者596,883人。第十七艦
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