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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第八十八話 これが両雄の初対決になるでしょうか。(その2)
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の兵力で挑んだ。狭い宙域にあってはこれが一番効率的な方法だと悟ったのである。むろん残る兵力は遊兵にはならず、後方から長距離砲によって前衛を支援し続けていた。
「相手は回廊を目一杯使用して艦隊を展開しているわ。という事は、ヤン艦隊得意の艦隊運動を展開する余地はないという事よ。そこが付け目よ。あの要塞にさえ気を付けていれば、ヤン艦隊をなんとか仕留められるかもしれない。」
ティアナは幕僚にそう言ったが、むろんそれを信じ切っているわけではない。だが、目の前の敵を前にして、しかもその敵が不敗の名将であるならば、尚更それに挑んでみたいという闘志が彼女の全身に溢れていた。
 前世から彼女はどんな敵にも負けなかった。たとえ骨が折れくだけ、部隊がちぎれ飛ぼうとも彼女の闘志だけはどんな敵にも屈することはなかったのである。


 彼女の闘志が、あらゆる兵器に込められて無数の光となってヤン艦隊に襲い掛かった。むろん彼女の艦隊も整然と艦列を組みながら縦隊となって突撃してくる。
「前衛艦隊を後退させ、後置しておいた老朽艦隊を無人操縦モードにして前面に出してほしい。」
老朽艦隊とは、先日までの戦いで激しい損傷を食らってもはや戦闘に耐えられそうもない艦艇群をさす。かろうじて自力航行はできるが無論一歩間違えれば自爆してしまうような危険性をはらんでいる。それを敢えて前面に出すという。


「あの動き・・ヤン艦隊にしては鈍い。おそらく廃棄寸前の老朽艦隊か。その手は食わないわ!!」
ティアナは敢えて前進を継続させた。それどころか前衛の速力を増大させて一気にヤン艦隊に肉薄させたのである。
「撃ちまくれ!!!」
彼女の気迫が前衛にしみとおり、前衛艦隊群は餓狼のごとく哀れな老朽艦隊に襲い掛かった。次々と光球が明滅し、老朽艦隊が餌食になっていく。が、すぐにその爆発光が尋常ではないことに気づいた。大きさが、規模がまるで違うのだ。前衛艦隊はその爆発に巻き込まれ、次々とその屍をさらしていく。


「今だ!!」
ヤンが指令した。側面に潜んでいたアッテンボロー、フィッシャーの二分艦隊が哀れな前衛群に一斉に砲火を浴びせかける。前衛艦隊はたちまちのうちに混乱状態に陥り、回頭をしようとして僚艦に体当たりして自爆するなど醜態をさらした。
「深追いはするな、敵はまだ余力を残しているぞ。」
ヤンは味方を戒めながら砲撃指揮を継続したが、不意に彼の手が止まった。
「しまった!」
突然に彼はある一点の宙域をにらんだ。


ティアナ艦隊が整然と有効射程位置についていたのである。いわば上方に布陣して下方のヤン艦隊を見下ろす形となっていた。
「艦隊戦術は、何もあなただけの十八番じゃないわよ!!前衛艦隊はすべて無人艦隊、すなわち囮役だったのだから!!」
彼女の右手が振り下ろされた。

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