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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第八十八話 これが両雄の初対決になるでしょうか。(その2)
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敵の砲撃の苛烈さの余波が後方に位置しているティアナ艦隊にまで届いているのだ。目の前では圧倒的に少数な敵が圧倒的に優勢な位置のまま攻勢を加えてきている。ティアナは信じられない思いだった。


こんなはずではなかった。優秀な提督を擁し、さらに敵の数倍の大軍を擁するラインハルト・フォン・ローエングラム陣営が、なぜ、負けるのだ!?


『ティアナ落ち着いて!!あなたが行ったところで他の艦隊ともども敵の主砲の餌食になるだけなの!!』
「いやよ!!こんなところでただつっ立って目の前の惨状見ていろっていう方がよっぽどどうかしているわ!!」
『ティアナ――!!』
「私は出るわよ。」
ティアナは鋼鉄の声で言った。
『フロイレイン・ティアナ。』
落ち着いた声が割り込んできた。
『卿はそのままの位置で待機せよ。このままフロイレイン・フィオーナに一任してもよいのだが、それでは手間がかかるようだな。私が指揮を執るときが来たようだ。』
ついにラインハルト・フォン・ローエングラムが動き出したのである。彼は予備兵力を差し向け、全戦線を収拾させると、前衛艦隊に総引き揚げの指令を下した。これは自由惑星同盟側にとっても願ったりかなったりだった。各艦隊ともこれ以上の戦闘継続は不可能なまでに疲弊しきっていたのである。



 翌日、補給と補充を終えた同盟軍の前に再び帝国軍が艦列を並べて襲い掛かってきた。今回の相手は、ビッテンフェルト、ロイエンタール、ミッターマイヤー、ティアナ、ミュラー、ジェニファー、そしてラインハルト本隊が続き、イルーナ艦隊は予備兵力として待機している。ロイエンタール、ミッターマイヤー、ビッテンフェルトを除けば昨日参戦しなかった無傷の新鋭艦隊であり、その鋭意と攻撃力、そして何よりもその士気は圧倒的に高かった。
対するに自由惑星同盟側は第十七艦隊、第十六艦隊、第十三艦隊の三個艦隊であるが、相次ぐ連戦にその戦闘力は疲弊しきっている。第十七艦隊は引き続いて宙域外縁部と要塞との間に布陣し、中央を第十六艦隊、右翼を第十三艦隊が守る。
「全艦、攻撃開始!」
迎え撃つヤンは迎撃を指令した。ヤン艦隊の眼前に立ちふさがったのはティアナだった。彼女は積極攻勢を、そして何よりもその高速を活かした機動戦術を是とする猛攻型の闘将である。
彼女の指揮する艦隊はヤン艦隊のピンポイント砲火による被害をものともせずに有効射程距離に接近した。秩序を保ちつつ数か所から高速で接近したため、ヤン艦隊の素点が定まりにくかったという事もある。もう一つ特筆すべき点があった。彼女が艦隊に「タメ」を強いていたという事である。抑えに押さえつけて今にも爆発しそうになるその無限の圧迫感を彼女は一気に解き放ったのである。
「・・・・撃てッ!!!」
前方に振り下ろされた腕の速度はまさしく彼女の艦
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