1.幻想入り
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だが、俺からすれば祖母というより母親に近い存在だ。やはり能力が少し似てるからかね。
「そもそも、そのような物件は博麗の巫女の領分だろ?」
「あなたは知ってるでしょう?現博麗の巫女のめんどくさがりようは」
それも知っている。よく愚痴を聞かされていたのだ。忘れるわけがない。そして何よりもあいつだろ?今の巫女。あいつがサボらないわけがない。
「それにやはりあなたの領分よ。いくらあの子でも手をこまねくわ」
「………夢魔か」
「理解が早くて助かるわ」
夢の中なのだから何でも思い通りになると思っているそこのあなた、人生そう甘いもんじゃない。むしろその逆で夢の中だと現実と次元が違うため普通の人間、いや、夢を見る知的生命体は、夢の中では全くといって動けない。そこを喰われるのだ。
「じゃ、行くしかないようだな」
「そういう契約だろ?世話にもなってるしな」
「そう、なら『あの二振り』は持って行きなさい。あなたには必要なものだわ」
あの二振り、それは家の家宝のことだろう。値の打ちようのない刀だ。
「もちろん。てか、もうもったよ」
「ならいいわ。おそらく、こっちにはしばらく帰ってこれないだろうからそのつもりでね」
「大丈夫だよ。こっちにはもう残る物なんて無いだろうからな」
「………………そう。あなたの向こうでの家は魔法の森の比較的人里に近いところにあるわ。目の前には連れてくわ。着いたら、直ぐに博麗神社に来なさい」
「え?マジで?俺死んじゃうよ」
だって、あいつがいるんだろ?霊夢だろ?こーろーさーれーるー。
「あなたがいっても冗談に聞こえないわ」
うわっ。本心から言ってるよこの人。
そういう紫の隣に俺の身長ほどもある裂け目が開いた。その中からは相変わらず無数の眼が俺をのぞいていた。俺はこの視線が嫌いだ。この視線にいい思い出はない。
さっさとくぐってしまおう。そうすれば目の前には幻想郷だ。
「サンキュー」
一方、魔法の森某所では。
「今日も大量だったぜ♪」
三角の黒い帽子をかぶった、いかにも魔女ですよーという格好をした女の子が、鼻歌を奏でながら珍しく箒を使わずスキップをしてていた。すると、目の前に見慣れた裂け目が現れた。
「ん?どうしたんだぜ?紫?霊夢と百合百合しに行かないのかだぜ?」
「悪いが、俺は紫じゃあないし女でもないな」
「え?」
女の子の目の前にいたのはいつもの胡散臭さを撒き散らしたスキマ妖怪ではなく、飄々とした癖っ毛の男だった。
何故こうなった。どうやら目の前の魔女っ子は紫と勘違いしたらしい。あれ使えるの紫だけだからな。驚いて呆然としちゃってるよ。
「おーい。戻ってこーい」
「うわぁ!?びっくりした!お前誰なんだぜ?」
「俺か
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