第44話 脱走
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気なカタカタ表記も簡単に頷ける。
───ホノカチャン症候群
俺は誰にも命名した事ないが、ことりの末期的な穂乃果大好きオーラの病名をこう名付けている。というか最近になって浮かんだ病名ではあるが、時折見せることりの穂乃果に対する笑顔や雰囲気は百で合的なモノに近い。
それを俺だけでなく生徒会長や部長......もしかすると副会長も感じ取っていたらしく、頭を痛そうにおさえていた。
「どうしましょう!何か知らぬ間に不審者とか入ってきて連れ去られたのではないでしょうか!!」
どこかこの近くにいるだろう。
もし仮に不審者が入ってきて連れ去られたとしたら、海未や真姫が犯人の手がかりを残してくれている"かもしれない"。
もしかすると、ただ単に俺達をからかっているの"かもしれない"
そう、全部"かもしれない"なのだ。
不用意に断言をできそうにない状況の中、俺はまず最優先にすべき事を行おうと手を叩いて注目を集める。
「考えられる事は多々あるが......最悪の事態を予測してやるべき事を進めておこう」
「最悪の事態って?」
にこも気付いているだろうことを敢えて質問する。そうでも無いと落ち着いていられないように。だけど俺は遠まわしにせず直球で答える。
「当たり前だろ……"誘拐"だよ」
「ちょっとお前ら静かにしてろよ」
「だ、だってにこちゃん小さいからって押してくるんだもん!」
「私じゃないわよ!絵里と希の大きな胸が邪魔なのよ!」
「そそそんな事言われても!怖いものは怖いのよ!」
「にこっちは後でワシワシな?」
「かよちん……真姫ちゃんどこなの?」
「だ、大丈夫だよ。きっと真姫ちゃんはいるから」
……あまりにも最後の一言が効いたのか、正直言ってこうなる事態は予想外だった。
罰執行中だったにこを解放し、要件だけ伝えるとすぐさま気持ちを切り替えてくれた。
家の中の様子を見てくると言った直後に、まるで団子みたいにぎゅっと固まって行動を始めるみんな。
それぞれモップや枕を持って、不審者対策したものの、その怯えきった表情がなんとも頼りない。
というか甘い匂いと柔らかい何かのおかげで緊張感に欠ける。
ガクブルガクブル震える彼女らに『リビングで待ってろ』という言葉は『3人を探し出す』という気持ちによって無効化されたのだ。
しかし。
「ちょっとにこちゃん!痛いよ!モップが背中に刺さってる!」
「だからにこじゃないって!」
「にこぉー!怖いよ〜!」
「えりち落ち着いて!ウチのこのモップ技で追い払うから!」
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