暁 ~小説投稿サイト~
黒きローブの勇者
昔の思い出
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だった。
シエスタの母親を殺したというオークの死体はオークの家とともに燃やして。
すっきりとしたような顔をしているシエスタだが、何処か寂しげな表情も見せていた。
しばらく道なりに歩いていくと、とある町が見えてきた。
見た感じは小規模な村といった感じだが、建物が中世ヨーロッパ風で、村というよりも町に見えた。

「ここからはリザードドラゴンでいくからレンタルしてくるね、時間がかかるかもしれないから店とか見て回っててー」

そう言ってシエスタはどこかへ行ってしまった。
仕方なく俺はこの町の観光をすることにした。
まず、近くにあった食べ物屋へと歩みを進めた。

「いらっしゃーい、何にしやすか?」

気さくに出迎えたのは赤い髪をした中年くらいのおっさんだった。

「えっと、これ下さい」

俺が指差したのは、何かの肉とレタスのような葉と紫色をした野菜が挟んである、いわばサンドウィッチのようなものだ。

そういえば金持ってなかったな。
どうしよう。


そう言って制服のポケットを漁っていると、家の鍵が出てきた。

「これで、ダメですかね?」

店のおっちゃんは俺が手渡した鍵を不思議そうに眺めていた。

「こんなもん見るのは初めてだ、いいのか?」

「別にいい、それと、その食べ物と交換だ」

「まあ、あんたがいいならいいんだ。おまけだ、持ってけ」

おっちゃんはそう言って、サンドウィッチらしき食べ物を2つくれた。

町の真ん中にあるベンチに腰掛け、サンドウィッチを食っていると、なぜか通りすがる人が俺をジロジロと見る。
多分ここの人たちにとって、俺のきている制服はとても珍しいものなのだろう。
サンドウィッチを食べ終えて、さて観光の続きをしようとした時、シエスタの声がした。

「リザードドラゴン、レンタルしてきたからいきましょう」

「あ、ああ、でもよく俺がいる場所がわかったな」

「千里眼使ったからね」

「千里眼?」

「魔法だよ、まあ下級魔法だけどね」

「魔法が使えるのか!?」

「何をそんなに驚いているの?誰でも使えるじゃない」

そうか、この世界では魔法を使えることが日常になっているのか。

「実は俺、魔法使えないんだ」

「そうなの?教えてあげようか?」

「俺でもつかのか?」

「まあ、素質で色々強さとか変わるけど、下級魔法は誰でも使えるはずよ」

「おお!じゃあ、教えてくれ!」

「待って待って、それは王都についてからにしましょう。多分今日1日でつくと思うから」

「わかった、約束だぞ!」

「はいはい」

俺たちはリザードドラゴンという、移動手段として重宝されている生物の元へと向かった。
リザードドラゴンはトカ
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