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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第561話】
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で灌いできた数々の汚名、今こそ返上する時」


 瞼を閉じ、一人そう呟く箒の隣には入念なストレッチをしているセシリアが居た。


「勝利……わたくしが掴むのは栄光とお慕いしています殿方の笑顔さえあれば。 故にわたくしが負けるなどということはあり得ませんわ」


 ストレッチを終え、ふわりと金髪を手で横に流した。

 鮮やかに陽光を受ける金色は風に靡き、その風に乗ってセシリアの着けているコロンの香りが広がっていった。


「僕だって居るんだからね? 優勝もそうだけど、僕も勝ってヒルトに……えへへ」


 勝利の光景を思い浮かべるシャル、背伸びをして背筋を解し、息を吐く。


「ぷはっ……」


 その反動からか、たわわに実った乳房がたゆんと揺れた、そしてそれを見逃さなかった黛先輩の眼鏡が怪しく光を放った。


「オオーッと、シャルロット組! まさかまさかのお色気仕掛けかー!?」


 マイクを使ってる為、勿論全校生徒に聞こえていた。

 シャル当人はそんなつもりもなく、顔を真っ赤にし、手で違う違うと振りながら――。


「えっ、えっえっ!? ち、違うよっ!! ぼ、僕はそんなつもりじゃ――」


 否定するシャルの言葉を遮り、アナウンスを続ける黛先輩。

 新聞部故か、彼女は生き生きとしていた。


「抜け目ない! 流石抜け目ない! フランス代表候補生、シャルロット・デュノア!」


 黛先輩の目がキラキラと輝いている一方、シャルは反射的に片手胸を隠し、もう片手否定しながら叫んだ。


「ち、違うのに〜っ!! ひ、ヒルトも見ちゃダメだよぉっ!!」


 見られて恥ずかしかったのかシャルはくるっと後ろを向いた。

 そして――。


「ふーん。 おっぱい揺れるのがいいんだ」


 何に納得したのか、美春が小さく頷くと、その場でぴょんぴょんと跳ね始めた。


「ヒルトーっ! 私も頑張るからねーッ!!」


 跳ねる美春、それに合わせてダイナミックに二つの膨らみが上下に揺れていた。

 それを見逃す黛先輩ではなかったものの、実況する前に無情にも第二陣の百メートル走が始まる。

 クラウチングスタートの体勢を取る四人、今なお赤面しているシャルだが、気持ちを落ち着けようと何度も深呼吸していた。


「オンユアマーク……セット」


 その言葉と共に高く腰を上げた四人――そして。


「ゴーッ!!」


 ピストルの乾いた音がグラウンドに響き渡る。

 一斉にスタートする四人だったが、ここでアクシデントが発生した。

 シャルの足がもつれ、転んでしまったのだ。

 他の三人もそれに気付くのだが、勝負の世
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