誕生、前代未聞の冒険者
第九話
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…と、まあ期待を裏切らない結果を、この後も次々ララは披露してくれた。
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「そんな…おかしいのです…ララに合う武器が無いなんて…」
「あ、アハハハ…」
ララの物言いにリアさんも苦笑しかでない。
それはそうだろう。大半の武器でやらかして武器が悪いなんて言われたら、反応に困ってしまう。
ふと店内を見ると、珍しい武器があったので訊いてみる。
「リアさん、コレは?」
「あっ、ソレ?お姉さんの最新作、関節剣『アスクレプス』!出来立てホヤホヤだよ?」
陳列されていたのは蛇腹剣とも称される使い手の腕が要求される一品。正直、僕には合いそうにない。…が、
「ソレです、ソレなのです!ララはソレを買いますっ!」
ララの発言にリアさんは絶句した。腕もだがお金はあるのか?
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買うにせよ使い勝手を見なければ、とのことで、リアさんは気分上場なララに付き添い、ダンジョンでお試しすると店を閉じてしまい、メンテナンスを言いそびれてしまった。
ならば他をと思ったが、腕の良い職人を知っているわけでもないので、素直に人に訊こうと僕もダンジョンに、今日は気分を変えて『塔』に行ってみようと歩き出す。
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「へぇ、此処が『塔』の受付…メカメカしいね」
塔の受付も僕が普段潜るダンジョンと造りは大差無いが、此方の方がより機械的だ。機能が自動化されているのか、受付の人も少なく、大抵の作業は機械が請け負っている。
その違いに目をやっている僕に冒険者達が気付き、にわかにざわめきだした。
『ヨーンだ…』
『根城は向こうだろ?何で此方に…』
『塔も攻略開始か?』
推測する冒険者を見ながら、話せそうな冒険者を探す。…んん?
『おいおい、ヨーンの奴よりによって…』
『物好きだな、変わり者に接しに行くなんて』
何か言われているが関係無い。僕は『この人』と話してみたい!
「お侍さん、時間良い!?」
「…某でござるか?」
僕はリアルな侍に出会った。
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「…その、あーてぃふぁくと?とやらや、得物の手入れを出来る者を探しに来たでござるか…むぅ、某刀剣に心得はあれど、残念ながら魔の類いに疎く…、申し訳ないでござる!」
「そんなに謝らなくても大丈夫だよ。それより、『ハヤテ』の話を聞きたいんだけど…」
場違いな程浮いた格好の侍、ハヤテと名乗った彼は、親子二代でこの塔を探索する冒険者らしい。腰に下げた日本刀もかなりの業物のようで、数々の魔物と困難を切り伏せた相棒だとか。
「塔に挑む日々に苦痛はござらん。某自らが選んだゆえ。しかし、厄介になっているお宿の食事が…」
「問題なの?質?量?」
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