沙都子IFルート
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を噛み締める。顔が赤く火照るのがわかる。とてつもない羞恥心と嬉しさに押し潰されそうだ。口角が思わず歪む。
「──私にも、まだ私にもチャンスはあるんですわね……」
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あの後も白鳥の水着を穿かされそうになったりソウルブラザーズを説得したりと大変だったが、なんだかんだ閉館の七時まで遊び尽くした。
帰り道、へとへとになりながら一番後ろで夕陽に照りつけられながらとぼとぼ歩く。前の方で元気そうに話してる魅音達が不思議で仕方ない。
「体力の無さを実感させられるぜ全く……と、そうだ、沙都子!」
「ひゃいっ!」
裏返った声で返事する沙都子。前を向いたままだが耳が真っ赤なのがわかる。演技とはいえ告白の真似事をしたんだ、気まずい気持ちはわかる。
「はははなんだよ、その声」
「な、なんでも良いじゃないですの!」
思った通り顔も真っ赤にして怒る沙都子。頬を膨らませたその表情もなんだか愛らしく見えた。
「ありがとな」
「え、え?」
「その怒られて喜んでるこの人ヤバイみたいな表情でこっち見るのやめてくんね!?」
「だって今の流れでは完全に……」
「まあ確かにタイミング間違えたとは思ったけどさ! 違うんだ、俺が礼を言いたいのは昼のことだよ」
「────」
「聞いたよ、あのパンツを穿き続けたらナルシストになるって話、本当だったんだろ。 ソレを危惧して沙都子は体を張ってくれたんだよな。 俺が鈍感な余りにあんな言いたくないことまで言わせて……ホントごめん」
最初は試練のための作り話だとばかり思っていたが、魅音に聞いたところおじさんが持ってた説明書にちゃんと『名前を書いた人の事を好きになる』と書いてあったそうだ。 ……今度会ったら問いただしてやる。
ただ海パンを忘れた圭一にも責任はある。なのであらためてこうして──
「全く、礼を言うのか謝るのかどちらかにしてほしいですわ」
不意に沙都子に一喝される。 確かにこれじゃ支離滅裂だった。
再度言い直そうかと考えていると、沙都子が言葉を続けた。
「──でも、あの言葉の中には、真もあったんですのよ」
「へぇ……え!? どどどどどれが!? どの部分!!?」
余りにあっけらかんと言い放つので、まんまと聞き流してしまいそうになった。というか真!? 全部が嘘じゃなかったって事……だよな!?
あのときのドキドキが返ってきたようで、鼓動が騒がしい。喉仏がうなり飲み込まれていく唾。額から頬へかけてを伝う汗が、熱されたアスファルトへ吸い込まれていく。
「──秘密、ですわ!」
いつも見ていたはずのいたずらなスマイルに、何故か今日はやけにドキッとさせ
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