少年のラストオーダー
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違うものだった。
「そのためにジェム、君にバトルフロンティアのルールに則ったバトルを申し込む。あらかじめ言うけど……君に拒否権はない」
「えっ……私に!?」
ダイバとの一方的なバトルを思い出す。勿論今ならああはならない自信はあるが、それにしてもなぜ今なのかわからず困惑するジェム。見かねたドラコが割って入った。
「拒否権はない、とはずいぶんな言い草だなダイバ。あの戦いを通じてなお自分の方が強い確信でもあるのか?」
「……バトルフロンティアにはシンボルを持つ者同士がお互いのシンボルを賭けて勝負できるシステムがある。挑まれた側にルールを決める権利がある代わりに、拒否することは出来ない」
ダイバがフロンティアパスを見せる。フロンティアパスの取り扱いや施設の決まりごとがずらっと並んだ利用規約画面をスクロールすると、紛れるようにその旨が書かれていた。よほどマメな人間でなければ書いてあることに気づけないだろう。ジェムはそもそも規約を読んだことがない。
「僕が勝ったらバトルダイス以外のシンボルは全て貰う。もしジェムが勝ったら……僕もバトルダイス以外のシンボルは全て渡す」
「そんな……じゃあ負けたほうはシンボルが一個だけになっちゃうの?」
ダイバは頷く。ジェムが打ちのめされたり、卑怯な手を使われたり、すごく強いブレーンと戦ってやっとの想いで手に入れたものが、一回の敗北で奪われる。それはとても残酷なルールだ。
「ジェムが渡すシンボルは二個でいい、というより本当にあなたは勝ったら五つとも渡すんですか? あなたに不平等に聞こえますけど」
アルカもダイバに問いただす。強引ではあるがバトルのルールはジェムが決めることが出来、且つ勝利した時に得るものもジェムの方が多い。何か裏があるのでは、という疑問は妥当だろう。
「約束する。ルール違反なんてパパも許さない。それに僕は……相手が誰であろうと負けたらダメなんだ。パパ相手でも、ジェムにも、あのチャンピオンにも……勝たなきゃダメなんだ」
「だから多少不利な条件であっても問題ない、とでも言うのです?」
「……それ以上は言えない。ジェムが勝ったら教える。……僕がバトルフロンティアについて知ったすべてを」
「全て……?」
ドラコやアルカの問いかけに、意味ありげにだが真剣に返すダイバ。冷静な周りの様子にようやく落ち着き始めたジェムは自分もダイバに聞く。
「ダイバ君は……普通に施設に挑戦してシンボルを貰うのは嫌なの? 私からシンボルを奪いたい理由が、ある? ジャックさんに何か言われたの?」
「……」
ジェムは昨日の戦いでやっとダイバと一緒に肩を並べて、お互いのために協力し合える関係に慣れたと思っていた。でもそれも、自
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