少年のラストオーダー
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いることだった。本来ならひざ下まで余裕であったであろう部分がちょっと歩くだけで太ももくらいなら見えてしまうほどになっている。
「そのワンピースって……アマノさんが?」
「買ってきたのはあいつですが、切り取ったのはわたしですよ。……理由、説明しなきゃだめですか?」
「あっ、ううん。言いたくないならいいの」
「大方、その方が男の目を引きやすいと思っての事だろう。……お前自身が生きるために何が必要だったかを考えればな」
ジェムは退こうといたが、ドラコは遠慮なく言った。アルカは反論せず、下を向いて黙る。図星らしい。他人の道場を食らって生きて来たアルカに取ってわざと他人の目を引くことは生きるために必要なことだった。
「……アマノもはしたないからやめろとは言ったんですがね。どうにも、短くしていないと……同情を煽るような恰好をしていないと落ち着かなくなってたんですよ、その時には」
「そんな……」
「ジェム、お前はこいつに償いをさせると決めたのだろう? 相手を思いやるのと無意味に遠慮するのは違う。わかりあいたいのなら聞きたいことは聞け」
きっぱりと断言するドラコ。アルカも自分で説明したし、特に難色は示していない。ジェムはそれを確認してゆっくり頷く。
「……わかった。アルカさんもそれでいい?」
「拒否はしません。……とにかく、ご飯食べましょう」
「そうだな、ついでだからジェムが挑戦している間私たちで何かまともな服でも買うか」
「うん、それがいいわ! でも私も一緒に見て回りたいな……」
「なら適当にキリのいいところで三人で回ればよかろう。もうフロンティアに危険もないしな」
「ああもう、煮るなり焼くなり好きにしろです」
一応バトルの影響で服に損傷が出ることも考えてか、小さいけれども服屋さんがあるのはジェムも知っている。そんな話をしていると、ノックもなしに部屋のドアが開いた。パーカーのフードと帽子を被ったいつもの姿のダイバが入ってくる。
「……ジェム、少し話がある」
「おはようダイバ君! ゆっくり休めた?」
「……うん、そっちも大丈夫そうだね」
ダイバは帽子を目深に被っていて表情はわからない。昨日の朝に比べれば見違えるほどジェムに対する声は優しくなった。彼は続ける。
「……ジェム、今日で僕は7つのシンボルをすべて集める」
「そっか……ダイバ君ならきっとできるわ。私も早く追いつけるように頑張るね」
ダイバの持つシンボルは五つ。あと二つでコンプリートだ。彼の持っていないシンボルはジェムがクリアしたバトルピラミッドとバトルクォーター。どちらのブレーンも強敵だったがダイバならきっとできるとジェムは信じられる。しかし、続いてダイバの口から出た言葉は全く
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