暁 〜小説投稿サイト〜
フロンティアを駆け抜けて
子供たちの夜
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 意気揚々と服を脱ぎ始めるジェム、慣れた様子でマントを外し始めるドラコ、何か思い出して自嘲しつつ白いワンピースを脱ぎすぐさまタオルを巻きつけるアルカ。

「ドラコさん、私一緒に背中流しっことかしてみたいんだけど、どうすればいいのか教えてもらっていいかしら?」
「任せておけ、ただし加減はせんぞ?」
「背中流すのに加減も何もありますか……まあ、どうでもいいですけど」

 タオルを体に撒いて入っていくジェムたち。それからはドラコに正しい体の洗い方を教えてもらったり、アルカがタオルで体を撒いたまま温泉に入ろうとするのを止めたり、水風呂の冷たさを味わったり露天風呂から眺める夜の海を堪能したりした。ドラコはあまりこういう所に慣れていない二人を年長者として見てくれたし、アルカもタオルをはぎ取られた時は傷跡だらけの身体を見られて嫌そうな顔をしたが、なんだかんだ楽しんでくれた……とジェムは思う。
 一方その頃、ダイバとジャックの男二人は――――――


「いやあ〜年を取ればとるほどお湯の温かさってやつは身に染みるね」
「……」
「サウナもあるらしいし、男同士の我慢比べでもしてみるかい? 思わぬ友情が芽生えるかもしれないよ」
「…………」
「女の子たちは楽しくやってるみたいだねえ、僕達も喋らない?」
「………………」

 二人で温泉に浸かっているが、喋っているのはジャックだけ、ダイバはじっと何かを考えているようで答えない。隣の浴場からは女性陣の話声が絶え間なく聞こえているのにこちらは会話すら成立しない。さすがに困った顔をするジャック。

「……あのー、君が僕に用があるって言ったんだよね?」
「……ああ、うん」

 ダイバがジャックの方をようやく見る。お互い背が低いため座っていると顔しか出ない。退屈しのぎに泡が出る場所の上でぶくぶくしているジャックに聞く。

「……ねえ、パパから話は聞いてたんだけど君って色んな伝説のポケモンを持ってるんだよね、この地方の伝説に限らず、フーパとかビクティニとかも連れてるって」
「うんそうだよ? あの子はバトル向けじゃないから戦わせないけど、バトルピラミッドに来たら僕の仲間を見せてあげるよ」
「さっき事件が解決したって言ったけど……バーチャルシステムに異常が発生してから僕達がアマノを倒すまでは二時間以上かかってる。その間何してたの?」
「話が飛んだね。何してた……と言われても一応バトルピラミッドのブレーンだし、君のお父さんであるオーナーの指示もないから待機してたよ」
「……じゃあ、僕とジェムが事件に巻き込まれてることは知らなかった?」

 ぶくぶくしていたジャックの表情が一瞬固まるが、すぐに首を振った。

「一応状況は聞いてたよ。ジェムと君が解決
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