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フロンティアを駆け抜けて
子供たちの夜
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れないとジェムは思う。ダイバは強いから。あの時のジェムばかりかブレーンまで平然と倒せる実力があって、昔からバーチャル相手にジェムよりずっと色濃く勝負をし続けた彼にはバトルを楽しいと思うことも勝って嬉しいと思う心も薄れていたのかもしれない。

「そっか、じゃあ私にもわからないわ。でも私はきっと自分のお父様に勝てたら……すっごく嬉しいと思う」

 でも、それはただの想像だ。実際には全然別の感情ということもあり得る。だから、そうやって曖昧に呟いた。

「それとね、このシンボルはダイバ君に渡すわ」

 エメラルドから受け取ったシンボルをダイバに手渡す。エメラルドの渡したシンボルは一つだけだ。マルチバトルルールには二人で挑戦するものだが飽くまで登録上は一人であり、ジェムの立ち位置は協力者だからである。その事は納得した上で挑戦していたので渋る理由はない。

「ねえ、フロンティアパスって集めたシンボルが多くなると新しく出来るようになることがあるのよね?」
「……そうだよ。見る?」
「うん! 見せて!」

 一つ集めるとパスが地図の役目を果たし、二つ集めると自分の現在地がわかる。三つ集めると一度パスを見せあった他人の位置がわかるようになるのは知っていた。四つと五つ目は何なのかは気になるので頷いて見せてもらうジェム。そこには地図に新たな場所が表示されていた。

「……温泉マーク?」
「四つ以上集めた人間だけが入れる特別な温泉宿らしいね。まあパパらしい……実力者への特別待遇ってやつかな。他にもゲームコーナーとか、酒場とか……ポケモンバトル以外の娯楽設備もあるみたい」

 二人で並んでダイバのフロンティアパスを眺めながら情報を確認する。

「そっか、じゃあダイバ君はそこに泊まれるんだね。私も明日新しく取れたら行ってみたいわ」
「……さすがに一人専用ってことはないよ。ブレーンを四つ以上持ってる人間の招待なら五人までは入れる。ジェムも、今日はここに泊まったほうがいい」
「いいの!? ありがとうダイバ君!」
「うわっ……勘違いしないでよ、昨日はチャンピオンが一緒だったからどうでもよかったけど、今日別々にいるとまた何が起こるかわからないだけで」
「五人までならアルカさんやドラコさんも一緒に行っていいわよね? 後はジャックさんはこのこと知ってるのかな……知らなかったら誘ってあげたいけど……ダイバ君は誘いたい人はいる?」
「……はあ、いないよ。人数の範囲で好きにして」

 喜びダイバを抱きしめるジェムに呆れたような、ほっとしたようなダイバの声。温泉やゲームコーナーと聞いてテンションの上がったジェムはその理由に気付かない。ダイバはバトルタワーのシンボルをパスに

「それじゃあ、五つ目は?」
「五
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