外伝〜メンフィル・エレボニア戦争の和解調印式〜 第2話
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拾い、養子にしたとの事だ。その件を考えるとリィンが両親の為に今回の戦争を和解へと導く事を決めた理由の一つは、”捨て子”だった自分を大切に育ててくれたシュバルツァー男爵夫妻への恩返しの意味もあるだろうな。」
「それは…………」
「………………」
シルヴァンの説明を聞いたクローディア姫は複雑そうな表情をし、アリシア女王は目を伏せて黙り込んでいた。
「それとカラント大司教。先程近親婚について”暴挙”と口にしたが、我が妻の一人であるカミーリは腹違いの私の妹だ。まさかとは思うが、七耀教会はメンフィル皇帝である私の夫婦関係まで否定するつもりか?もしそのつもりであるのならば、ゼムリア大陸に存在しているメンフィル帝国領にある七耀教会の支部の撤退命令も考える。」
「加えてカミーリ様と陛下の夫婦関係を否定するという事は御二方のご息女であり、次代のメンフィル皇帝であられるリフィア皇女殿下の存在をも否定する事になります。もしそのような事がメンフィルの民達に知られれば、最悪”メンフィル帝国と七耀教会との戦争”もありえるでしょうね。」
「そ、それは…………い、いえ、七耀教会はそのような恐れ多い事は一切考えておりません。何も考えずに近親婚を”暴挙”と口にしてしまい、誠に申し訳ございませんでした。どうか、お怒りをお鎮め下さい。」
不愉快そうな表情をしているシルヴァンと厳しい表情をしているセシリアに視線を向けられたカラント大司教は表情を青褪めさせて謝罪した。
「……フン、わかればいい。話をエリゼ達の件に戻すが、エリゼが妻としての序列一位である”正妻”に、セレーネ嬢が序列二位と既に婚約者達の序列も決まっている。よって、アルフィン皇女の妻としての序列は最下位である七位になる。」
「何ですと!?シルヴァン陛下、何故リィン殿に嫁ぐ皇女殿下の序列が最下位なのですか!?殿下はエレボニア帝国唯一の姫君にして”帝位継承権”もお持ちになられているのに、何故皇女殿下を差し置いて男爵令嬢が正妻に……」
シルヴァンの話を聞いて驚いて声を上げたダヴィル大使はシルヴァンに反論をし
「正確に言えばエリゼは男爵令嬢ではなく男爵―――いや、女性の男爵だから女男爵になる事が内定している。」
「え………ど、どういう事でしょうか?シュバルツァー家の跡継ぎはリィンさんである事をメンフィル帝国も認めていると事ですのに、何故エリゼさんが”シュバルツァー男爵”に……?」
シルヴァンの答えを聞いたクローディア姫は困惑の表情で訊ねた。
「エリゼ・シュバルツァーはリィン・シュバルツァー同様今回の戦争で手柄をあげたので、褒美として彼女自身に”男爵”――――爵位を授けました。よって、エリゼ―――いえ、エリゼ卿は”シュバルツァー公爵家”の”分家の
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