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英雄伝説〜灰の軌跡〜
外伝〜メンフィル・エレボニア戦争の和解調印式〜 第1話
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……」

「……………あの。確かカイエン公にはナーシェン卿の他にもご息女が二人いらっしゃいましたが、その方達はどうなったのでしょうか……?」

シルヴァンの説明を聞いたクローディア姫は悲痛そうな表情をし、アリシア女王は重々しい様子を纏って黙り込み、複雑そうな表情で黙り込んでいたアルフィン皇女はシルヴァンにある事を訊ねた。

「カイエン公の娘達――――ユーディット・カイエン嬢は妹のキュア・カイエン嬢と共に”オルディス制圧作戦”の際、投降を申し出た事に加えて、オルディス襲撃を知った援軍の貴族連合軍の降伏の貢献をした為、現在は見張り兼護衛の兵付きでオルディス内を自由に動き回っている。」

「なっ!?カ、カイエン公のご息女であるユーディット嬢が貴族連合軍をメンフィル軍に降伏させたという事は真ですか!?」

「ああ。ユーディット嬢の主張によると貴族連合軍の主宰―――カイエン公爵の爵位並びに当主の座は”カイエン公爵家”が既に剥奪し、現在はユーディット嬢が”カイエン公爵家当主代理”を名乗っている。」

「なお、”カイエン公爵家”の次期当主はキュア・カイエン嬢の為、彼女がカイエン公爵家の当主として相応しい者に成長するまでの間はユーディット嬢がカイエン公爵家の当主代理を務めるとの事です。また、既に御二方からも既に父君である”カイエン元公爵”がメンフィルに引き渡され、処刑される話を伝えた際、”父の処罰についてはメンフィル帝国の判断に従います”と言質を取っています。」

「なあっ!?」

「ええっ!?」

「まさかカイエン公のご息女が父親を当主の座から引きずり下ろすとは………」

「例えどんな深い理由があり、その行動が世間体で考えれば正しいとしても子が親の地位を簒奪し、更には親が処刑される事を受け入れるとは、悲しい話ですな……」

シルヴァンとセシリアの話を聞いたダヴィル大使とアルフィン皇女が驚いている中エルナンは信じられない表情で呟き、カラント大司教は重々しい様子を纏って呟いた。



「先程セシリアが口にしたように既にカイエン公爵家の当主代理と次期当主も貴族連合軍の”主宰”であるカイエン元公爵がメンフィルに引き渡され、処刑される事にも同意しているのだから、ダヴィル大使の心配も無用であろう?」

「そ、それは…………」

「………………貴重なお話を教えて頂き、ありがとうございます。」

シルヴァンに問いかけられたダヴィル大使が言葉を濁している中アルフィン皇女は複雑そうな表情で会釈をした。

「シルヴァン陛下。先程カイエン公のご息女達はメンフィル帝国の捕虜になったにも関わらず、自由に動き回っていると仰いましたが……まさかお二人共―――いえ、”カイエン公爵家”は貴国に帰属する為お二人を自由にさせているのでしょうか
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