外伝〜メンフィル・エレボニア戦争の和解調印式〜 第1話
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シルヴァンは不敵な笑みを浮かべて答え、セシリアは静かな表情で答えた。
「”譲歩”して、この条約内容ですか………」
「メンフィル帝国はそれ程までにエレボニア帝国の”ユミル襲撃”の件に対して、怒りを抱いていると言う事ですか……」
二人の答えを聞いたエルナンとカラント大司教はそれぞれ重々しい様子を纏って答えた。
「……クローディア、議事進行を続けてください。」
「あ……はい。――――シルヴァン陛下、まずは貴国が提示した和解条約について第一条から順番に説明して頂いてもよろしいでしょうか?」
アリシア女王に続きを促されたクローディア姫は頷いた後シルヴァンに問いかけた。
「ああ。まず第一条についてだが……今回の戦争勃発の原因の一端は言うまでもなく貴族連合軍が担っている。よって、貴族連合軍の総責任者―――”主宰”であるカイエン公爵にも当然責任を取ってもらう必要がある。」
「…………………」
「そ、それは………その、シルヴァン陛下。メンフィル帝国に引き渡された公爵閣下はどうなるのでしょうか……?」
シルヴァンの説明を聞き、自分も戦争勃発の原因の一端を担っている事を理解していたアルフィン皇女が表情を青褪めさせて身体を震わせている中ダヴィル大使はある事が気になり、シルヴァンに訊ねた。
「当然”処刑”です。なお、”蒼の深淵”については利用価値がある為、メンフィル帝国に忠誠を誓うのであれば、処刑を取りやめ、ある程度の自由を認めて償いの機会を与える事は考えております。」
「……七耀教会として質問があります。何故”蛇の使徒”には償いの機会を与え、カイエン公爵については償いの機会を与えないのですか?片方には償いの機会を与え、もう片方には償いの機会すら与えないとは罪人の扱いとしてあまりにも不公平ではないでしょうか?」
セシリアの説明を聞いてある事が気になったカラント大司教はシルヴァン達に訊ねた。
「”蛇の使徒”の件はあくまで”メンフィル帝国に忠誠を誓った場合のみ”だ。メンフィルに隷属する意志がないのであれば、カイエン公共々処刑する。それにカイエン公はエレボニア皇家―――いや、エレボニア帝国に対して反乱を起こした”首謀者”にして我が国との戦争勃発を回避する意志を見せなかった”戦犯”。そのような愚か者はメンフィルは当然だが、エレボニアでも”極刑”の判決が下されて当然の存在なのだから、償いの機会を与える余地もない。我が国との戦争はともかく、内戦に巻き込まれたエレボニアの民達の中から多くの犠牲者が出ているのだからな。」
「それは…………」
しかしシルヴァンの正論に対する反論を持ち合わせていないカラント大司教は複雑そうな表情で黙り込み、その場は一瞬静寂に包まれた。
「………アルフ
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