旧校舎のディアボロス
アーシア救出 前編
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ろ叩かれたわけだ。
初めて叩かれた頬をよりも、心が痛かった。
でも、やっぱおとなしくできねぇ。
「じゃあ、俺をその眷属から外してください。そうすりゃ、俺もトーヤと一緒に教会に乗り込みます」
「出来るはずないでしょう? あなたもトーヤも何で分かってくれないの!?」
部長の激昂した姿は初めて見たけど、俺にだって譲れないものがある。
「俺はアーシア・エルジェントと、友達になりました。アーシアは大事な友達です。俺は友達を見捨てられません!」
「・・・それはご立派ね。そういうことを面と向かって言えるのは凄いことだと思うわ。それでも、これとそれは別よ。あなたが考えてる以上に悪魔と堕天使の関係は簡単じゃないわ。何百年、何千年とにらみ合ってきたのよ。隙を見せれば殺されるわ。彼らは敵なのだから」
「敵を吹き飛ばすのがグレモリー眷属じゃなかったんですか?」
俺と部長は睨みあう。
視線をずらすことはなく、正面から見つめる。
「あの子は元々神側の者。私たちとは相容れない存在。いくら堕天使のもとへ降ったとしても私たち悪魔と敵対同士であることは変わらないわ」
「アーシアは敵じゃないです!」
俺は強く否定する。あんな優しい子が敵なわけがない!
「俺ってチェスのポーンなんでしょう? 兵士の駒一個消えたってッ!」
「お黙りなさい!」
ッ! 部長の厳しい一言に身体が硬直する。
「一誠はポーン。一番弱い駒だと思っているわけ?」
俺は頷く。
「イーヴィル・ピースは、実際のチェスの駒と同様の特徴を持つと言ったはずよ。それがプロモーション」
「プロモーション?」
「ポーンは、敵陣地の再奥まで進めれば、キング以外のほかの駒に昇格できる。俺が他の皆の力を持てるって事ですか?」
「主である私が、その場所を敵陣地だと認めればね。そう、例えば教会のように」
すげぇ。それを聞いただけで大収穫だ!
「ついでに、あなたの神器だけど」
「力を倍にするんですよね? 夕麻ちゃッ! ・・・堕天使から聞かされました」
俺、まだ引きずってるのか。
苦い表情を浮かべる俺に、部長が頬を撫でてくれた。
「想いなさい。神器は、持ち主の想う力で動くの。その思いが強ければ強いほど、必ずそれに応えてくれるはずよ」
思いの、力・・・。
そこへ、朱乃さんが部長に何か耳打ちする。
朱乃さんの報告を耳にした部長の表情がいっそう険しくなる。
「急用が出来たわ。私と朱乃は少し外出します」
「部長、まだ話は終わってッ」
「いいこと? プロモーションを使ったとしても、駒一つで勝てるほど堕天使は甘くないわ」
それを最後に、部長と朱乃さんは魔方陣でどこかへジャンプした。
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