旧校舎のディアボロス
アーシア救出 前編
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「ええ。彼女はどうしてるの」
「今のところ、俺の家に匿っている。結界を張ってあるしバレルことはないだろう」←家を出ていることに気がついていない。
俺は昨夜、彼女からの経緯を全員に話した。
「アーシアは聖女と崇められていたが、悪魔を治療し助けたせいで魔女と罵られ、信じていた仲間から裏切られ、教会から追放。途方にくれたところをはぐれエクソシストの組織に拾われた。と」
そのことに皆が静まりかえる。
アーシアは聖女その者と言っても過言じゃないのに、悪魔を治療しただけで魔女と言えるのか。協会連中も腐った奴らばかりだ。これだから宗教は嫌いなんだ。非常に面倒くさくて嫌になる。
「教会の連中は、昔から変わっていないね」
そう発したのは木場だった。
「いつも頑なで、実験のために犠牲は問わない。僕の時も・・・」
その表情は、何時ものスマイルじゃなく、全身から憎悪に近いものが滲み出ていた。そういや木場も、ある意味被害者だったな。
そう思いつつ、時間が差し迫っていたので、俺は教室に戻った。
放課後。
今日はバイトが入っているので、そのまま学校を出たところで、スマホが鳴った。
相手は一誠からだった。
「何だ? 一誠」
『トーヤ大変だ! アーシアが、堕天使にさらわれた!!」
・・・何?
その事に、俺は一瞬思考すら停止した。
詳しく聞けば、アーシアが町を見たくて家を出たらしく、そこで一誠と出会い町を散策。公園で一休みしていると、堕天使レイナーレが襲い掛かってきてアーシアが連れ去られた。
クソ、狙われてると思っていたが、こうも早く行動に出てくるなんてッ。いや、それ以前に何で家を出ることを想定していなかった!
「その儀式の場所はどこか言ってたか?」
『分からねぇ。でも、あの古ぼけた教会には何も無かった!』
とすれば・・・山奥にあるあの大きな教会か。
「一誠。俺はアーシアを助けに行く。お前はこの事をリアスに伝えろ」
『ああ、そのつもりだ。すぐに部長に話して駆けつけるから!』
携帯を切り、教会に向かって全力で駆け出した。
待ってろ、アーシア。
それを、上空高い場所から、黒い翼が生えた三人が見ていたことに気づくことは無かった。
一誠side
-パンッ!-
部室に乾いた音がこだました。音の発生は俺の頬だ。
部長に平手打ちされた。
「何度言えば分かるの? ダメなものはダメよ。彼女のことは忘れなさい。あなたはグレモリー家の眷属なのよ」
部長の表情はいつになく険しい。
俺は学校に来て、事の詳細を部長に話した。報告した上で、アーシアの救助を提案した。
しかし、部長はその件に関して一切関わらないと言ってきた。納得いかない俺は、詰め寄ったとこ
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