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ONEPIECE 空の王者が海を征す
空の王者、王女と語らう
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の勧誘。皆が窓から降りていく中、最後にレウスが降りようとした時ビビが声を上げた。

「レウス、さん……私……」
「ビビちゃん。……皆ちょっと先に行っててくれ直ぐ行く。忘れ物した」
「何してるのよレウス、早くしてよ〜」
「解ってるよナミちゃん」

一応断りを入れビビと向きあうレウス、二人の間に流れる沈黙はビビの迷いと戸惑いを表しているかのよう。ぎゅっと握り締める服に出来る皺は今の気持ちのよう。

「ビビちゃん、これは君が決める事だよ。このまま王女として、海賊として、対照的と言ってもいい。君自身が決めなければいけないんだ」
「でも、私……楽しかったん、です……。皆と、旅をするの……短い時間だったけど王女だって事も時には忘れたりしてたんです」

心の奥底から楽しかった時間だった、大変で命の危険も合ったけど皆と一緒に旅をするのは本当に楽しかった。そんな時間をもっと楽しみたいとさえ思えてしまう……でも王女としてこのアラバスタを支えて行く義務とて大切、どちらも大切な物。一つ選ぶには苦しい選択だ。苦しそうにするビビを見てレウスは窓の外から見える夜空を見ながら口を開いた。

「君と、王女としての君と会ったのはこんな時だったね。ウィスキーピークで」
「えっ?え、ええそうですね。あの時私はMr.5のペアに命を狙われてたけどレウスさんが助けてくれた」
「そして直ぐにクロコダイルが黒幕だって自分からバラしたよね、あれだけ言えないって騒いでたのに」
「あ、あれはその緊張とか動揺と化しててつい口が滑って……!!レ、レウスさんだってあの時ナミさんに引っ張られて気絶しかかってたじゃないですか!?」
「それは明らかにナミちゃんのせいだからノーカウントだろう?!」

昔話というほどの物では無いがレウスの口から出てくる話は彼と自分の出来事の事だった、本当に凄い出会いだった。最初はラブーンを殺そうとしていた女の子が王女で、そんな彼女を国に送る事になったり波乱万丈な旅だった。気付けばビビは先程とは打って変わって笑顔を浮かべていた。

「笑ったねビビちゃん。君は笑顔が一番だ」
「あっ……」
「言ったよね、お姫様に笑顔でいてくれたら嬉しいって」

感謝をするなら笑顔でいて欲しい、それが彼の言葉だった。気付けば顔を曇らせてそれを忘れていた、彼との約束なのに少し自分が嫌になった。そんな自分の頭を抱き締めるレウス、そしてすぐに離れてしまった。荷物を持ち窓に足を掛けた彼にビビは立ち上がった。

「……個人的な欲を言えばその笑顔を傍で見ていたい、かな」
「あっレウスさん、まってっ!!」

そういった言葉よりも早くレウスは窓から飛び降り皆が待っている超カルガモ部隊の元へと駆け出して行ってしまった。小さくなっていく背中を見ながらビビは思わず思ってしまった。
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