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レーヴァティン
第七話 炎の剣と氷の刃その十一

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「それでな」
「あちらの世界もだな」
「楽しむか」
「かなり厳しい世界だがな」
「何、どっちの世界もそうだろ」
「厳しいか」
「こっちの世界にはこっちの世界の厳しさがあるだろ」
「そうだな、何かとな」
「それでこっちの世界には楽しさもあってな」
 笑ってだ、久志はこうも言った。
「あっちの世界もだろ」
「どちらも世界もか」
「厳しくて楽しいからな」
 だからだというのだ。
「厳しさは乗り越えて楽しみを満喫させてやるさ」
「そうするか」
「どっちの世界でもな」
「いいことを言ったな」
「そう言うか?」
「では俺もだ」
 英雄も微笑んで言った。
「こちらの世界もあちらの世界もか」
「楽しむ、しかしだ」
「しかし、何だよ」
「御前とはもう少ししたら別れる」
 久志に顔を向けてこう告げたのだった。
「東の島に行ってな」
「そうするのは変わらないか」
「そうだ、二人で同じ島にいても仕方ないだろう」
「どっちの島も救わないといけないしな」
「二人で一つずつ何とかしていってもいいが」
「その手もあるけれどな」
「俺はあちらに行きたい」
 東の島にというのだ。
「そうしたい」
「俺は残りたいな」
 久志は自分の考えも述べた。
「じゃあな」
「別れるな」
「そうなるな」
「まああっちの世界の話でな」
「こちらの世界ではこうして会える、好きじゃないがな」
「ああ、そこでそう言うか」
「御前はどうしても好きになれない」
 かなり率直にだ、英雄は久志自身に告げた。
「相性が悪いな」
「それを言ったら俺もだよ」 
 久志も久志で英雄に言う。
「御前はな」
「好きじゃないな」
「いけ好かない奴だよ」
 笑ってだ、久志は英雄本人に言った。
「本当にな」
「お互いだな」
「ああ、意見が合うな」
「こうした意見はな」
「そうだな、けれどあっちの世界じゃこれまでな」
「一緒だったな」
「それは事実だな、後な」
 久志は英雄にさらに言った。
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