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〜異世界BETA大戦〜 Muv-Luv Alternative Cross Over Aubird Force
亜空間の向こう
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エレミア歴1033年8月30日

―――オルキス連邦軍ブリトニア基地シミュレータールーム

「くっ・・・・勝てませんね・・・・。」遠野はうなだれるようにつぶやいた。
「そうですね、もうこれで12連敗でしょうか・・・・。」碓氷が悔しげにそのつぶやきに応える。
この日地球人組は朝から、タケルの中隊との対戦合同訓練を行っていた。
だが、彼女達の中隊はまだスクワイエルに慣れ始めたばかりという彼女達自身の認識であり、片や精鋭と目されているうえ、既に何年も訓練や実戦を経験してきたタケルの中隊には歯が立たなかった。
それでも何度か2〜3機中破というスコアを上げているところは、平均的なスクワイエル部隊に比べても実は割と良い結果ではあるのだが、タケルの中隊やアントワープの連隊の選抜メンバーとしか訓練していない彼女達は今自分たちがどのくらいの位置にいるのか、皆目見当もつかなかった。

客観的に見ても、いかんせん相手が格上過ぎるという本来なら無理ゲーなのだが、本人達はもう少し習熟すればいい線まで行けるはず、というあきらめない心だけは持って粘っていた。
そのあたりを何となく感じ取ったタケルは「うん、だいぶいいところまで上がって来たな!次はそうだな・・・・。」と言いつつ隣のシミュレーター区画にいる他の部隊へと目を向けた。
「隣の連中と交流戦でもやってみるか?」とタケルは遠野と碓氷に問いかける。
二人とも今の一般的な実力がどのくらいか知りたいという点で思っている事は同じだったようで、「「是非!!お願いします!」」二人は思わず声を揃えてしまい、お互いにびっくりして見つめあう。

彼女達の意思を確認したタケルは隣の区画で訓練していたザカリス連隊所属の中隊と話をつけ、B中隊(地球人組)との交流戦を段取る。
「それではよろしく頼むぞ?」タケルがザカリス連隊の中隊長にそう告げると中隊長は少しにやけながら「ハッ!了解しました大尉殿、ところでどのくらいの手加減が必要でしょうか?」
ザカリス連隊の兵達は、エレミア星系よりもだいぶ文明レベルが劣ると噂されている異文明の惑星人たちに負けるはずもないとタカをくくっており、胸を貸してやる程度の思いしかなかった。
しかし、タケルの返事は「いや、全力で来ていいぞ?」・・・タケルの答えは彼らの斜め上を行っていた。
「ハッ?!本当によろしいのですか?そんなことをしたら数分で終わってしまい、訓練にもなりませんよ?」ザカリス連隊の中尉が言う事は新人ばかりの中隊相手であれば正しい判断であると言える。
「いや、がっかりはさせないと思うぞ、ほんとに全力でOKだ。」それでもタケルは問題ないと言うので、ザカリスの中尉は引き下がった。

そして交流戦が始まる。
当初はザカリスの中隊が教科書通りの小気味の良い連携で地球人組を圧迫しているかに
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