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魔法少女リリカルなのはINNOCENT 〜風雪の忍と光の戦士〜
第十一話 熱戦 ―エキサイト―
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あなた方を撃ち滅ぼします」

 この後の一撃のため。

 ショウは黒剣を、シュテルは紫槍を平行にして構える。二つのデバイスに魔力が溢れ出たと思うと、それは炎へと姿を変えて逆巻いていく。ここまではシュテルの得意砲撃“ブラストファイア”だろう。

 だがしかし、ここで終わるならばそれはシュテルのみで行えばいいことだ。あの炎は二人で作り出されているものであり、必然的にシュテルのみの砲撃とは異なる。デバイスの先端に形勢された炎の球体は、渦巻くようにして大きさを増していく。だが消費されているであろう魔力量にしては、その大きさは小さい。まるで収束され、圧縮されているかのように……。

 明らかな最後の一撃の気配。しかし紗那は、それに気圧されるどころか微笑んで彼らに答えた。

「……そこまで言ってもらえるなんて、光栄です。私は、貴方達のおかげでこの世界に来れた。この空を知ることができた。……彼と、ここに来れた。感謝しています。……でも、私も……負けませんから」

 そう言った紗那が疾風に振り返ると、疾風もニヤリと笑って頷いてきた。彼女も笑い返し、刀を腰にしまってロングソードモードのリラの持ち手を彼と一緒に持つ。リラの刀身に紗那の魔力が流れ込み、その輝きが強くなっていく。

「……もうこうなりゃ一か八かだ……あの砲撃、ぶった切ってやろうぜ……!」

「うん……!」

 俺はもう動けないから刃の姿勢維持を全力でやる、移動と魔力収束は任せたぞ……という疾風の思考を柄を握る手から感じ取り、紗那は了解の意味を込めてさらに体を密着させた。リラの刀身は周囲の魔力を引き寄せて収束され、その輝きは眩いものとなっていく。

 だがそれを打ち消さんとばかりに、ショウとシュテルの業火も燃え盛る。最強デュエリストと名高い二人が、残った魔力を炎熱変換し収束しているのだ。その威力は想像すらできない。

 その光景が少しの間続き、双方の周囲から魔力のリソースがなくなって輝きが目を潰さんほどになった瞬間……

 最後の一撃が、放たれた。

 ショウとシュテルによる合体炎熱砲撃“レディアントインフェルノ”。それに向かって、疾風と紗那の二人は刃を前面に立てて突進していった。

「「はぁあああああ!!!!!」」

 叫びながら進む彼らの意地の魔力が込められた刃は砲撃を切り裂きながら、シュテルたちに向かっていく。凄まじい勢いを正面から受け止めているので、一瞬でも気を抜けばリラを弾き飛ばされてしまうほどの衝撃が二人の両腕に伝わってくる。しかし二人は懸命に柄を握りしめ、疾風は刃の向きを、紗那は魔力とシュテルたちへの飛行を維持していく。

 ……だが……

 彼らに刃が届こうかという距離になった時、リラの刃の輝きが揺らいだ。限界を迎えた二人の魔力は突進
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