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魔法少女リリカルなのはINNOCENT 〜風雪の忍と光の戦士〜
第十一話 熱戦 ―エキサイト―
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口元を引き攣らせずにはいられなかった。



 ここから先は疾風たちには見えない部分だったので知る由もないが、魔力弾に囲まれたショウとシュテルは、まず回避は無理だと判断した。その後の行動は単純にして明快。互いに可能な限りの魔力弾を生成して迎撃し、そのあとは背中合わせの状態を維持しつつ回転しながらデバイスを使って可能な限り魔力弾を破壊する。それが限界だと判断すると、最終的にショウの防御魔法を覆う形でシュテルが防御魔法を展開したのだ。



 さてそんな二人を相手にしている疾風と紗那はというと。一応互いのデバイスを相手に向けて構えてはいるものの、内心では冷や汗ダラダラだった。

「さてさて……さすがの俺もそろそろネタ切れだぞ……」

「この後どうしようか?」

「まず砲撃戦は無理だな。あちらさん相手じゃ当たる気がしないし、そもそも撃てるだけの魔力も残ってない。ぶっちゃけ飛ぶだけで精一杯って感じだ……そっちは?」

「私も結構カツカツ。たぶん、分身とか煙幕とかの攪乱はもう無理だと思う。突進系の攻撃も。苦無とか手裏剣くらいなら……なんとか……」

「いよいよ万事休すって感じだな」

 やれやれと囁き交わしつつも、疾風はリラをロングソードモードに変形させた。紗那も彼に寄り添うように立ち、リンクを構えて立つ。これだけの策を弄しても打ち破ってきた相手だ、もはや勝てる可能性はゼロに近いと二人とも嫌になるほどわかっている。しかしそれでも、彼女たちは構えた。最後まで諦めないという姿勢と意地を、示すかのように。

 それを見たシュテルとショウは少し驚いたように目を瞠り……そして、微笑んだ。

「良い気迫です。戦闘技能といい、先ほどまでの戦術といい……久しぶりに滾らせてもらいました」

「良いコンビネーションでしたよ。お二人とも予想外の方向から攻めてきたり回避したり……まあそれ以上にその諦めない闘志が何よりも素晴らしいんですが。だからこそ……」

 俺達は先ほどの攻撃を最低限の魔力で防ぐ道を選んだわけですが。その言葉に、疾風と紗那は驚愕する。何が起こったのかは分からなかったが、防ごうと思えば無傷で防げたと言われたようなものだ。にわかには信じられないが、それを嘘だと断じることもできない強さをあの二人は有している。

 そう、実は先ほどのスターダスト・フォース・ウィンド。このスキルには誘導性があるため、移動すればその方向に魔力弾のコースが変わる。つまりある方向に動けば、その方向に向かう自分が視認できる範囲にある程度魔力弾を誘導できるのだ。だからこそ直進しながら同線上にある弾を排除し、後方から迫り来る魔力弾を砲撃で粉砕するという手もあった。

 だが、敢えて魔力を使うこの方法を選ばなかったのは……

「故に……全力全開で
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