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魔法少女リリカルなのはINNOCENT 〜風雪の忍と光の戦士〜
第十一話 熱戦 ―エキサイト―
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火は威力を見せ付けるように砲撃とぶつかり合っても微動だにしていない。そんな中、自身の奇襲をいなされた疾風は……
“口角を吊り上げていた”。
「今だ!」
「はぁっ!」
疾風の声に応えて紗那が叫んだ瞬間。疾風の砲撃によって位置を下げられたショウとシュテルの周囲の……ビルの窓ガラスがすべて吹き飛び、無数の魔力弾や苦無、手裏剣などが顔を出した。その光景にさすがの二人も驚愕の声を漏らす。疾風の策とはこれだったのだ。
単純に言えば、魔力弾を仕込んで例のスキルを使うこと。しかし最初に使った時のように空中に浮遊させただけでは明らかに不自然過ぎ、策を看破されてしまう可能性がある。しかし、前回と違って今回はステージの利点があると疾風は目を付けた。そう、辺りにはおあえつらえ向きの障害物が……多数のビルがあったのだ。
疾風と紗那はショウやシュテルによって強烈な一撃を受けるたび、わざと“ビルを貫通するように飛ばされて”内部に侵入し、その度フロアの中に弾を撃って無数の魔力弾を仕込んでいたのである。だからこそ紗那と疾風は魔力弾の維持にも魔力を裂き、自分へのクリーンヒットを避ける以外のスキルによる攻撃をしてこなかったのだ。
「魔力もギリギリ、細工は流々……あとは結果をごろうじろ、ってな!」
「行け!!!」
裂帛の気合いを持って紗那はスキル、“スターダスト・フォース・ウィンド”を発動させた。あちこちのビルに配された無数の魔力弾が、一斉に二人に向けて殺到する。だが、そこで動揺して固まったままの二人ではない。すぐさま互いにデバイスを構えた……のだが、その先どうなったのかを確認することはできなかった。
今までよりいっそう背中合わせで密着したところまでは見えたのだが、魔力弾が殺到し直撃したことによる煙でその後の姿が隠されてしまったのだ。
タイミングとしては直撃したように見えたが、二人は気を緩めることができないでいた。あの二人なら、という良いのか悪いのかわからないような予感があったこともあるが、それよりも……
「……デュエルが終わらないってことは……」
「……仕留め損ねたな、こりゃ」
そして、その言葉に“正解”と答えるように。
煙を切り裂いて、ショウとシュテルが姿を現した。先ほどの場所から微動だにしていない。
「……まさかあれ全部迎撃したのかよ……」
「……なんて……」
「予想していたものより素晴らしい奇襲でした……ですが、あれでは足りません」
彼らのバリアジャケットは、所々が擦り切れていた。それは多少なりともダメージが入ったことを示してはいる。が、完全に決めるつもりで行った二人はその程度の損傷に留められてしまったことに“足りていない”という言葉をまざまざと見せつけられ、
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