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魔法少女リリカルなのはINNOCENT 〜風雪の忍と光の戦士〜
第十一話 熱戦 ―エキサイト―
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できずにいた。

 疾風がショウに斬りかかり、ショウが刃を止める。その瞬間にリラを回転させて離脱しつつ、疾風は魔力弾を放つ。ショウは回避し弾は後方に飛び去っていくが、その延長線上に現れた紗那は疾風が放った魔力弾をリンクでシュテルに向かって“打ち返す”。返す刃で苦無を放ち、防いだシュテルが攻撃を返そうとしたときには分身の中に紛れている。そして本体を探していると疾風の方が現れ……というような波状攻撃が続き、いつの間にかショウとシュテルの二人は背中合わせの状態にまで移動できる場所を制限されてしまう。

「何かこの状況を打破する良い案は浮かびましたか?」

「お前の中にある考えを全否定していいならあるが?」

「では却下で」

 すんなりとそう言うあたり、ショウの相方は筋金入りだ。まあ彼も返ってくる答えは分かっていただけに落胆はしていないのだが。

 そんな防戦が続いた頃、疾風たちの動きに変化が見え始めた。彼らを吹き飛ばすことのできる回数が増えてきたのだ。気のせいか分身の数も減り、疾風の曳く赤い残像も薄れてきている。つまり、彼らの魔力が切れ始めていることを示していた。

 保有する魔力量は人によって異なるわけだが、高速移動しながらの銃撃や分身を発生させながらの苦無の射出。一発撃つだけでも消費するというのに、彼らは惜しみなくそれらを使い続けていた。当然の結果が訪れたともいえる。

「「…………」」

 ショウとシュテルの間に軽口はあったものの、互いに作戦を口にすることはなかった。それどころか、アイコンタクトすらなかった。それは今も変わらない。

 それでも二人は相手が自身と同じことを考えているという確信があった。それは幾度も同じ戦場を潜り抜け、時にはお互いに闘ってきた経験と信頼のなせる業である。面と向かってショウに聞いてもシュテルが相手の場合、即否定しそうなところではあるが。

 そんな時、紗那はリンクの刀身を鞭のように振るった。その瞬間リンクの刃が大幅に伸び、刃を持った鞭のような形状に変形する。“チェーンソードモード”と呼ばれるリンクの鎖鎌形態だ。それを振るいながら二人の位置を固定しにかかる紗那。とはいえ今まで二人で対応していた相手を一人で抑え切れるはずもなく、さすがに動きに無理が出ている。が、それはただの時間稼ぎだ。

「食らえ!」

 声が聞こえた直上を仰ぐと、ショウとシュテルの上部に移動した疾風がブラスターモードに変形させたリラを構えていた。すかさず砲撃を放った疾風は直撃を確信した。……だが。

「……っ!!」

 鋭い視線が向けられたかと思うと、漆黒の剣士は右手の剣を引き絞り、刀身に灼熱の炎を纏わせる。彼の得意とするスキル、“ブレイズストライク”だ。先ほどはシュテルが使ったが、今度は本家。放たれた業
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